人事評価制度導入支援コンサルティング・成功事例(有限会社三昭機工)
若手社員の採用と定着、人事評価制度が生み出した好循環

有限会社三昭機工
代表取締役 谷口 廣 氏
会社概要
会社名 有限会社三昭機工
代表取締役 谷口 廣
所在地 千葉県船橋市栄町2-4-11
設立 1989年
資本金 10,000千円
事業内容 溶接、機械加工、製缶、組立、半導体関連部品・半導体架台制作
HP https://www.sanshokiko.co.jp/

有限会社三昭機工は、千葉県船橋市で金属加工業を営み千葉県内はもとより、神奈川県、群馬県など他県のメーカーからも依頼が舞い込み事業を成長させています。千葉興業銀行がコンサルティングした「人事評価制度」を導入して1年経ち、改めて導入した効果や現在の課題について、谷口社長にお話を伺いました。

結論から言うと人事評価制度を導入したら
退職者がゼロになりました。

———人事評価制度を入れて具体的に変わったことは?

人事評価制度を入れたのが2022年4月でしたので、1年ちょっと経過していますが、退職者が一人も出ていません。それまでは1年間に1名ほどは退職者が出たものですが、これは人事評価制度を導入した効果だと思います。導入前の評価というと、ほとんどの中小企業の社長さんと同じように、自分の主観的なものでした。それも明確な基準があるわけではなく、なんとなくこのくらいかなという曖昧な感じでした。

———人事評価制度を導入したきっかけは?

私も同業のいろいろな会社さんを見せていただきましたが、社長さんが70〜80歳でも現役でバリバリやっているのも良いのですが、自分の感覚としては60歳くらいで引退して、若い人たちに繋いでいきたいという想いが強くなってきました。そのために若い人を採用することに。いま平均年齢が34歳で、一番若い社員が20歳です。こういう若い世代の社員を採用するには、きちんとした人事評価制度がないと駄目だと思ったからです。自分はいつかこの会社から身を引くけれど、残った社員たちで自走できる会社であってほしい。そうすると社長の好き嫌いで評価が決まるのは正当ではないと気づいたことが導入のきっかけでした。

人間性としての評価軸、技術面での評価軸。
この2軸で評価しています。

———何を評価軸にしていますか?

当社の評価軸は2つあります。まず第1段階として「人間性の部分」です。制度設計の際にここを厚めにしてほしいと千葉興業銀行にお願いをしました。第2段階として「技術の習得」です。1つめの人間性の部分は、マナーや挨拶、お客様対応、言葉遣いといった人として当たり前のことなんですけど、工場で働いている社員は、お客様がいらしても挨拶すらしないことも多々ありました。「ちゃんと挨拶しようよ、それも評価対象になるよ」といえば、みんな挨拶をし始めるんです。そうするとお客様から「三昭機工さんに行くと、皆さん挨拶してくれて気持ちいいですね」と褒められます。やっぱり褒められたら嬉しいじゃないですか。嬉しいからいい仕事をしようと思うし、お客様からも「綺麗な仕事をしてくれてありがとう」とまた褒められるんです。社員がきちんと評価されれば笑顔も出てくるし、コミュニケーションだって良くなっていきます。2つめの技術の習得については、ベテラン社員の頭の中にあるものを、言葉にして理解できるようにしています。ただ、工作機械で加工する部署と溶接の部署、さらにCADオペレーターの部署で、それぞれやることも評価方法も異なるので、その方法を改善することが今後の課題ですね。

人事評価制度を導入して1年経過、
売上も25%伸びました。

———導入した時の社員の反応は?

人事評価制度の導入を検討しはじめたのが2022年1月でした。千葉興業銀行と制度の内容を詰めて4月から導入開始。社員にこういう人事評価制度を導入するよと伝えたときは、みんなの反応は薄かったですね。ピンと来てないみたいでね。評価される側からすると、え?そんなことやるの?と思ったのでしょうね。後から振り返るともう少し丁寧な説明をすればよかったかなと反省しています。でもうちはまだ発展途上の段階ですから、これから成長していくためには通らなくてはならない道だと意志を強くして実施しました。1年経って振り返ると、やはり導入してよかったと思います。

———売上にも良い影響がでているそうですね

はい、前年比25%増えました。やはり社員が自分の仕事を正当に評価されていきいきと働いていれば、品質は高くなるし、クレームも減ります。お客様もそういう会社に仕事を頼みたいと思いますよね。社員の正しい評価、モチベーション、品質、売上はすべて繋がっていて、その原点にあるのが人事評価制度ではないでしょうか。

制度を導入するだけではダメ
運用・改善してはじめて効果が出ます。

———導入後はどのような運用をしていますか?

4月に社員一人ひとりと上司と私の3人で目標をたてて、この項目を達成すればこういう評価になり、それが昇給にもつながるんだよとゴールを設定して伝えます。その目標を半期に1度振り返り、どこまで達成したか、達成できなかったかを評価します。金属加工業は職人気質のベテランたちも多く、一昔前までは先輩の背中を見て育つとか、技術は盗むものだと言われてきましたが、今の時代はそれは通じません。職人気質の上司であっても自分の部下にいかに目標を達成できるようにするか、そういうマネージメントも上司の評価になると伝えています。こうした成果もあり、上司も意識が大きく変わり、部下の指導や自分のチームのマネージメントができるようになってきたと感じます。評価基準も社長の私が決めたものだけではありません。社員からもどんな判断基準にしたいか、事務方からも工場長からも吸い上げて改善しています。あとは私が一人で旗振りしてもダメですね。事務方の社員たちが人事評価制度は会社にとって必要なことなんだと理解してくれて頑張ってくれたおかげでこの制度が根付いたのだと思います。

人事評価制度を導入すると
社員の目標が明確になります。

———社員の目標はどのように決めているのですか?

例えば若手社員が自分で考えた目標と工場長がその社員に求める目標に違いがあることが多いですが、そのズレを面談のときに話し合って一致させていくようにしています。いま思うと人事評価制度がなければ、お互いに目標を話し合う機会すらない状態でしたね。そうすると社員は何を目指したら良いのかわからないし、頑張ってもそれが良い評価には結びつきませんでした。この人事評価制度があることで、目標について話すきっかけができました。お互いに言葉にして、伝えあって、理解しあえるから、自分の目標がはっきりしてくるのですね。その目標に向かって頑張って仕事をして、正しく評価されればモチベーションも上がっていきます。若手社員がいきいきと働ける職場づくりになるし、そういう会社に仕事を頼みたいとなり、売上もあがってくる、そんな好循環が生まれてきていると実感しています。

家族5人から8年で社員23人に増員、
ホームページやSNSを採用に活かしています。

———採用がうまくいっている秘訣は?

今の船橋の工場に引っ越して来たのが2015年で、当時は私の家族と親戚の5名で経営していました。でも、父親や兄に仕事の指示を出すのも気が引けたし、このままだと将来が不安だと感じていました。やはり若い人を採用しようと思うようになりました。色々な求人媒体を試しましたが、結果的には無料の媒体やハローワークからいちばん多く応募がきますね。いま力を入れているのはホームページとSNSの動画です。ホームページには社員の働いている姿を写真で載せているし、TikTokとInstagramでは、みんなが楽しそうにしている動画をアップしています。面接にくる人はみんな「SNS見ました」と言ってくれます。やはりホームページの写真だけでは伝わらないことも動画なら、社長の人となりや、どんな社員がいるのか、若い人が何人くらいいるのかも伝わりますね。そういう会社のリアルな情報を発信し続けることが大切だと思っています。ハローワークの求人票だけでは伝えられない部分ですし、求職者が本当に知りたいことって、こういう実際の社員の働いている姿なんだと思います。

人事評価制度をつくるには
第三者の目線が必要ですね。

———千葉興業銀行をパートナーに選ばれた理由は?

人事評価制度を導入したいと考えた時に千葉興業銀行の他にも相談をしましたが、やっぱり一番親身に相談にのってくれたのが千葉興業銀行でしたね。人と人の付き合いって大事だし、私の熱い想いを受け止めてくれたと感じました。そもそも私の主観による評価を変えていきたいと考えていたので、第三者の目線から客観的に制度の枠組みを提案してくれることが有り難いですね。担当の磯田さんをはじめ本部専門チームの方が、運用段階に入っても相談にのってくれる、一緒に考えてくれる、そういう体制が助かります。当社と同じように若手社員を採用して、次の世代に受け継がせたいと考えている中小企業の経営者さんには、千葉興業銀行のコンサルティングサービスはお勧めできますね。

中小企業の皆様、
こんなお悩みありませんか?

  • 入社してもすぐ辞めてしまう
  • 明確な人事評価制度がなく不平等感がある
  • 事業承継をどうやればいいかわからない
  • 会社の3年後、5年後を思うと不安が多い
  • 社員それぞれの想いがバラバラ
  • 今の時代の社員教育がわからない

千葉興業銀行がお客様の組織づくりを
サポートします。

  • 人材育成
  • 組織診断
  • 事業戦略・組織設計
  • 人事評価制度策定・定着支援

人材コンサルティングサービスの特徴

ハンズオン(直接参画型)・
オーダーメイドの提案・支援・見直し

各社個別の状況に応じてオーダーメイドで提案、解決。また千葉を本拠地にしているため問題や疑問などが発生した際にはすぐに駆け付けられる心理的・物理的安心感があります。

千葉の中小企業に特化した実績

すでに支援を行っている企業は従業員5人~200人のところで規模も業種もさまざま。当行は千葉県で70年以上営業していることもあり千葉県内の中小企業に特化した支援実績を多く有しています。