【2025年版】結婚助成金の申請条件・交付金額・申請方法・注意点!

結婚する際の経済的負担を軽減してくれる「結婚助成金」についてご存じでしょうか。

聞いたことはあっても、受給条件や受給金額がよくわからないという方もいらっしゃるでしょう。

結婚助成金は、実施していない自治体もあります。また、条件を満たしている場合でも、結婚助成金を受け取るには申請が必要です。

この記事では、結婚助成金の受給条件や受給額、申請方法について解説します。

結婚に際して受け取れる助成金以外のお金についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)とは

結婚助成金とは、正式名称を「結婚新生活支援事業補助金」といいます。

新婚世帯の新生活に伴う経済的負担を軽減することを目的として、国が新婚世帯を経済的に援助する交付金のことです。

結婚に関する費用といえば結納や結婚式の費用というイメージが強いかもしれません。ですが、こども家庭庁が2023年に実施したアンケート調査結果によると、「結婚に伴う経済的不安は何を思い浮かべるか」で最も不安に感じていたことは、住居費に関する不安でした。

結婚式の費用だけではなく、日々の生活に直結した支出として住居費に対する不安を抱く方が多いと推測できます。

結婚助成金を活用することで、引っ越しなどの新婚生活を始めるときにかかる経済的な負担を軽減することができるでしょう。

こども家庭庁「令和5年度結婚新生活支援事業に係るアンケート調査結果

結婚助成金の受給条件や利用範囲は

経済的負担を軽減してくれる結婚助成金ですが、すべての新婚世帯が受給することができるわけではありません。

ここでは結婚助成金の受給となる対象世帯の条件や、結婚助成金の対象となる経費について説明していきます。

対象世帯

結婚助成金の受給対象になる世帯の条件を見ていきましょう。

項目 条件
年齢 夫婦ともに39歳以下(婚姻日時点)
世帯所得 500万円未満
居住地 結婚助成金対象の自治体に居住している
婚姻期間 指定された期間に婚姻届を提出している

結婚助成金の対象となる世帯としては、婚姻日時点で夫婦ともに39歳以下であり、世帯所得が500万円未満の世帯が該当します。なお、奨学金を返還している世帯は、奨学金の年間返済額を世帯の所得から控除することができます。

上記の他、自治体によっては他にも納税状況や住宅の契約名義人などの条件があるケースもあります。

対象世帯の詳細な条件については、お住まいの地域の実施状況を確認するようにしましょう。

対象経費

正式名称である「結婚新生活支援事業補助金」という名の通り、補助金の対象となるのは、新居の住宅費用や引越しといった新生活に関する費用です。

種類 詳細
住宅費用 新居の購入費、新居の家賃、敷金・礼金、共益費、仲介手数料など
引越し費用 引越し業者に支払う費用

引越し費用の場合、業者に支払った費用が補助対象であり、自分で引越し作業や運搬をした際に発生した費用は対象外となります。また、不用品の処分に関する費用や新居で使用する家具や家電の購入費用も対象外になるので注意しましょう。

また、結婚助成金に結納や結婚式の費用は含まれていません。

ブライダルや新婚旅行など結婚式関連の費用について詳しく知りたい方は関連記事をご覧ください。

関連記事:結婚に必要な貯金額は?結婚前の貯金額や貯金なしでの結婚方法

結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)の交付金額

結婚助成金には、こども家庭庁の交付金の補助率の違いによる2つのコースがあります。

  • 一般コース
  • 都道府県主導型市町村連携コース

どちらのコースに該当するかは、自治体によって異なります。結婚助成金はどちらか片方しか受け取れない点にも注意しましょう。

ここでは、それぞれのコースの違いや特徴について解説します。

一般コース

一般コースは、各自治体が国の補助を得て取り組んでいる助成金制度です。

実施の有無や条件、支給方法は自治体ごとに異なるので、申請前に自治体の公式情報を確認しておきましょう。

結婚助成金の金額は、原則として次の通りです。

  • 最大60万円(夫婦ともに29歳以下)
  • 最大30万円(いずれかが30歳以上39歳以下)

自治体によっては、独自の予算を上乗せして支給するケースもあります。年度ごとの予算が設けられており、期間内であっても受付が締め切られることがあるので注意が必要です。

都道府県主導型市町村連携コース

都道府県が主導し、管内の複数の市町村と連携して実施している助成金制度です。

一般コースでは助成金の支給が難しい自治体でも、連携コースを通じて結婚助成金を支給していることがあります。

金額は一般コースと同様で次のとおりです。

  • 最大60万円(夫婦ともに29歳以下)
  • 最大30万円(いずれかが30歳以上39歳以下)

一般コースと同じく、年度ごとに予算が設けられており、上限に達すると締め切られることがあります。

自分の住む自治体がどちらのコースでも、新婚世帯に対する補助内容は変わりません。

結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)申請はいつまで?

結婚をしたからといって、自動的に結婚助成金を受け取れるわけではありません。ご自身でお住まいの自治体へ申請する必要があります。

申請期間は自治体ごとに定められており、年度末である3月末とされていることが一般的です。しかし、申請期間内であっても予算の上限に達すれば受付終了となるため、申請は早めに行ったほうがよいでしょう。

結婚助成金の申請方法

具体的な申請手続きは自治体によって異なるため、ここでは一般的な流れをご紹介します。

手続きにどのくらい時間がかかるかの目安も紹介しますので、申請する際の参考にしてください。

結婚助成金申請手続きの一般的な流れ 1必要書類を集める 2自治体の窓口に書類を提出する 3交付決定通知書を受け取る 4補助金交付請求書を自治体の窓口に提出する 5助成金を受け取る

実際に申請をする際は、お住まいの自治体のウェブサイトを必ず確認しましょう。

必要書類を集める

まずは申請に必要な書類を集めます。主な必要書類は以下の通りです。

  • 申請書
  • 誓約書または同意書(兼用している場合あり)
  • 各種証明書(婚姻届受理証明書、戸籍謄本、住民票の写し、納税証明書など)
  • 入居対象となる住居に関する書類(売買契約書の写し、賃貸借契約書の写しなど)
  • 対象費用の支払いを確認できる書類、領収書等の写し

証明書などの提出書類の中には、申請日から3カ月以内に発行されたものといった期限が定められている場合があります。

また、所得を証明する資料には申請するタイミングによって対象の期間が指定されることもあるため、事前にウェブサイトなどで確認しておきましょう。

自治体の窓口に書類を提出する

必要書類の準備ができたら、お住まいの自治体の窓口へ書類を提出します。郵送による申請や電子申請が可能な自治体もあります。

基本的には、実際に支払った金額に対しての助成金の申請となるため、費用を支払う前に申請することはできません。

交付決定通知書を受け取る

書類提出後、自治体による交付可否の審査が始まります。審査には2週間程度かかることが一般的です。

申請先の自治体や申請内容によって審査期間は異なりますので、申請時に確認しておくとよいでしょう。審査に通れば自宅に交付決定通知書が届きます。

補助金交付請求書を自治体の窓口に提出する

交付決定通知書を受け取るだけでは助成金はもらえません。

交付決定通知書に同封されている補助金交付請求書に必要事項を記入し、自治体の窓口に提出する必要があります。

助成金を受け取る

ここまでの手続きが完了すると、ご自身が指定した口座に助成金が入金されます。入金までの期間としては2週間から1カ月程度を見ておくとよいでしょう。

結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)の注意点

結婚助成金を実施している自治体数は、2020年度は291自治体でしたが、2024年度には842自治体であり、は急速に普及しています。それでもすべての自治体で実施されているわけではないため注意しましょう。

また、結婚助成金は全国共通の制度ではなく、各自治体の任意事業という位置づけです。申請前に、自分が住んでいる自治体における実施の有無や条件について確認しておきましょう。

自治体ごとに年間の予算が決められており、上限に達すると期間の途中でも支援事業が終了するケースも少なくありません。結婚や引越しのスケジュールが決まったら、できるだけ早めに申請を検討しましょう。

こども家庭庁「地域少子化対策重点推進交付 資料5

自治体ごとの結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)例

結婚助成金は国の制度に基づいて運用されていますが、実施の有無や申請条件、補助対象の範囲は自治体によって異なります。

同じ都道府県内でも、市区町村によって受け取れる金額や申請期限が異なるため、事前に詳細を確認しておくことが重要です。

ここでは、各自治体の結婚助成金の例について紹介します。

東京都の結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)

東京都では、結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)は実施していません。

独自の制度として「TOKYOふたり結婚応援パスポート」があります。対象となる世帯は以下の通りです。

  • 1年以内に結婚を予定している婚約カップル
  • 結婚してから1年以内の新婚カップル

「TOKYOふたり結婚応援パスポート」を提示すると、協賛店が提供する結婚応援サービスを受けられるものです。結婚助成金とは異なり、年齢や年収などの条件はありません。

東京都「TOKYOふたり結婚応援パスポート

千葉県の結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)

千葉県船橋市は結婚助成金を実施しています。夫婦だけでなくパートナーシップ宣誓を行ったカップルも支援対象となります。

2026年3月31日までに、夫婦またはパートナーのどちらか1人が住宅の取得や賃貸・リフォームの契約を結ぶことも条件が条件となっており、指定の期間内に賃貸費用・リフォーム費用・引越し費用の支払いも求められます。

助成金申請時における2人の住所は取得あるいは契約した住宅で、住民基本台帳に記録されていなければなりません。また、過去に同種の助成金を受けた方は対象外です。

船橋市「令和7年度結婚新生活支援事業について

神奈川県の結婚助成金(結婚新生活支援事業補助金)

神奈川県横須賀市も千葉県船橋市と同様に、夫婦だけでなくパートナーシップ宣誓を行ったカップルも支援対象となります。

夫婦またはパートナーのうち、どちらか一人が横須賀市内に住民登録している必要があります。また、婚姻の日から3年以上横須賀市に住む意思があることが条件です。

さらに、同市のまちなみ景観課所管の「子育てファミリー等応援住宅バンク補助金」「2世帯住宅リフォーム補助金」の交付を受けていないことなども求められます。

横須賀市「【令和7年度】結婚新生活支援事業

結婚に際して受け取れるその他のお金

結婚に際して受け取れるその他のお金 会社からの結婚祝い金 失業給付金 確定申告の還付金 出産手当金

結婚助成金の条件は自治体によって異なります。

年収制限もあるため、自分は対象外だった、自分が住んでいる自治体はやっていなかったという方もいらっしゃるでしょう。

結婚や出産を機にライフスタイルが大きく変わり、経済面で不安を感じる方は少なくありません。「仕事を辞めた」「出産を控えている」など、生活環境が変化する方も多くいます。

実は、結婚に関しては助成金以外にも、状況に応じて利用できる支援制度がいくつかあります。あらかじめ知っておくと、いざという場合に活用しやすくなるでしょう。

ここでは、祝い金や失業給付など、結婚に際して受け取れる可能性のある支援を4つ紹介します。

会社からの結婚祝い金

福利厚生の一環として結婚祝い金を支給する会社も多く見られます。就業規則や社内制度に明記されていることが一般的で、受け取るには所定の申請手続きが必要です。

結婚祝い金の相場は1万〜5万円程度です。また、勤務年数に応じて金額が異なるケースも見られます。

在職中に婚姻届を出すことを条件としている会社が多く、申請時には住民票の写しなどが必要です。

勤続年数や雇用形態によっては対象外となることがありますので、社内規程を確認しておくと安心です。

失業給付金

結婚や出産を機に退職した場合、一定の条件を満たせばハローワークから失業給付を受け取れることがあります。

受給には、原則として雇用保険の加入期間が12カ月以上あることや、再就職の意思があることが必要です。

妊娠や育児の都合ですぐに働けない場合は、受給期間の延長申請をしておきましょう。

結婚に伴う転居などでやむを得ず退職した場合など「特定理由離職者」に該当すれば、自己都合退職でも給付制限がなく、すぐに給付金を受け取れます。

支給期間や支給額は、年齢や被保険者期間、退職前の給与額などにより異なります。

確定申告の還付金

結婚や引越しに伴い退職し再就職しなかった場合、原則として会社での年末調整ができないため、自身で確定申告を行う必要があります。

納めすぎていた税金がある場合、還付金として戻ってくることがあります。還付額は納税額や控除内容によって異なりますが、数千〜数万円程度戻る方が多いようです。

確定申告には、会社から発行される「源泉徴収票」が欠かせません。また、申告内容によっては証明書類の添付が必要になります。

例えば、生命保険料控除を申告する場合は「保険料控除証明書」が求められます。

住宅ローンを組んだ場合も、ご自身での確定申告が必要です。住宅ローン控除を申告すると、年間10万円以上の還付を受けられるケースもあります。

出産手当金

出産手当金は、健康保険の被保険者が出産のために仕事を休んだ場合に支給される手当です。

出産日の42日前(双子以上の場合は98日前)から出産日の翌日以後56日目までの計98日間分が対象です(双子以上の場合は154日間)。

支給額は、原則として「標準報酬日額の3分の2×日数分」で計算されます。

在職中の方だけでなく、被保険者の資格喪失後であっても、退職前に継続して1年以上の被保険者期間があり、退勤日に出勤していなければ受給可能です。

出産にかかる費用や医療費控除など、制度をより詳しく知りたい方は、関連記事もご覧ください。

関連記事:出産にかかる費用は?自己負担平均額や医療費控除等の制度を紹介

結婚関連費用が足りない場合はカードローンやフリーローンがおすすめ

結婚は人生の大きな節目です。楽しみの多いイベントである一方、結納や新居の準備、引越しなどで、経済的な負担を感じていらっしゃる方も少なくありません。

この記事で紹介した結婚助成金や各種支援制度を活用すると、負担を抑えられることが可能です。

支援制度にはさまざまな条件があります。自分が利用できる制度を確認し、早めに準備を進めることで安心して結婚準備に取り組めるでしょう。

結婚助成金対象外の方や制度を活用しても結婚費用が不足しそうな方は、千葉興業銀行のカードローンやフリーローンの利用もご検討ください。

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水野崇

水野 崇(みずの たかし)

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部応用数学科卒業。
相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など多方面で活動している。
学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。
テレビ朝日「グッド!モーニング」、BSテレ東「マネーのまなび」などに出演。
NHK土曜ドラマ「3000万」の家計監修を担当。

<資格>1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、証券外務員1種 など

【URL】https://mizunotakashi.com

2025年7月2日現在