教育ローンとは?種類だけでなく奨学金との違いや銀行の教育ローンの借り方を解説

お子様の進学を前に、教育資金の調達方法として教育ローンの利用を検討している方は多いのではないでしょうか?また、学生の方のなかには、自身の進学が家計に影響を与えないかを心配している方もいるかもしれません。

一口に教育ローンといってもその審査基準や返済方法などは金融機関ごとに異なります。この記事では、教育ローンを検討している人が知っておきたい教育ローンの基本知識と、よく比較される奨学金との違いや両者の選び方についてわかりやすく解説します。

教育ローンとは

教育ローンとは、子どもの教育費を準備するために保護者が借入れを行う形態の資金調達方法です。子どもが借主となることはできません。
取扱金融機関によって違いはありますが、教育ローンでは入学金や授業料はもちろん、受験料や1人暮らしをする際の家賃などにも利用できることが一般的であり、資金使途の幅が広いローン商品といえます。
また、教育ローンには証書貸付型とカードローン型があり、両方を取扱っている金融機関もあれば、いずれか一方しか取り扱っていない金融機関もあります。
証書貸付型とは、借入当初に資金を一括で調達し、以降は毎月決まった金額を返済する方法です。借入開始から完済までの返済計画が立てやすいですが、追加で資金が必要となった場合には改めて金融機関とのローン契約が必要となります。一方、カードローン型は当初定めた借入限度額の範囲内であれば必要なときに何度でも借入することが可能な形態です。利便性は高いのですが、気軽に利用しやすい分借入期間が長くなりやすい傾向にあります。

教育ローンは2種類ある

教育ローンはその運営主体が誰かという観点で大きく2種類に大別できます。日本政策金融公庫が取り扱う「国の教育ローン」と銀行をはじめとする民間金融機関が取り扱う「民間の教育ローン」です。両者は貸付内容や条件などに違いがあります。

◾︎国の教育ローン

まずは国が運営する教育ローンについて紹介します。国の教育ローンは政府系金融機関である日本政策金融公庫が取り扱う公的な融資制度です。
公的な性格が強い融資制度ですので世帯年収による利用制限が設けられており、たとえば給与所得者の場合は世帯年収が790万円以下でなければ利用できません。(子どもが1人増えるごとに年収要件は100万円引上げられます。)
借入可能額にも上限があり、通常は350万円(要件に該当すれば450万円)までとなっています。また、利用にあたっては連帯保証人もしくは保証料の支払いが必要となります。

◾︎銀行の教育ローン

他方で、銀行が提供する教育ローンは、国の教育ローンのような世帯年収による要件は特になく、保証人・保証料も原則不要です。銀行が定める審査基準をクリアすれば、基本的に誰でも利用できます。
他方で、借入可能額については国の教育ローンよりも多いことが一般的です。千葉興業銀行の教育ローンの場合、最大2,000万円まで借入可能です。

  • お借入金額1,000万円超は医学部、歯学部、薬学部のみとなります。

教育ローンと奨学金(貸与型・第二種奨学金の場合)の違い

奨学金は、教育ローンとは異なり「子ども自身が借りて将来返済する」調達方法です。金利は非常に低く設定されており、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が取り扱っている貸与奨学金(第二種)における2023年6月の金利(利率固定方式)は年0.537%となっています。ただし、奨学金を利用にあたっては子どもの成績や家庭の年収による基準があり、その基準をクリアしないと利用できない点や、資金を受け取るタイミングが進学後になるため、入学金の支払い時期には間に合わない可能性が高い点には注意が必要です。

参考:独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)|令和5年度 貸与利率一覧(年利%)

関連記事:教育ローン、国の教育ローン、奨学金の違いは何?FPが徹底比較!

教育ローンのメリット

奨学金と比較した際の教育ローンのメリットとしては、入学前に融資を受けることが可能であり、入学金の支払いにも対応できる点が挙げられます。また、保護者が借主となるので、子どもにローン返済の負担をかけたくない親御さんに適した方法といえます。

教育ローンのデメリット

デメリットとしては奨学金よりも金利が割高になってしまう点が挙げられます。計画的に繰上返済を活用し利息負担を抑えることが大切です。

教育ローンと奨学金の選び方

ここまでのおさらいとなりますが、教育ローンと奨学金のどちらを利用するべきか、その検討にあたってのポイントをご紹介します。
まずは、借入金が必要となる時期について確認しましょう。奨学金はお金を借りられるタイミングが入学後となるため、仮に入学前の入学金や授業料での支払いに充てようと考えているのであれば教育ローンの利用を検討しましょう。
資金が必要になる時期が入学後であれば奨学金・教育ローンいずれも対応可能ですので、まずは金利が低い奨学金の利用を検討してみるのがよいでしょう。

銀行の教育ローンの借り方

ここからは「銀行の教育ローンをぜひ利用したい」と思った方のために、借入れまでの流れについてご説明します。

事前審査の申込み

銀行の教育ローンを利用したい場合は、まず事前審査に申込みましょう。事前審査はWebまたは店頭で申込みができます。銀行によってはWebから申込みを行うと金利割引となるケースもあるのでWebでの申込みがおすすめです。

審査の結果は一般的に2~3日程度で出ることが多いです。結果は電子メールや電話で伝えられます。

正式申込み

事前審査に通過した場合、続いて正式申込みが必要です。一般に下記の書類が必要となります。

  • 本人確認資料
  • 資金使途確認資料
  • 所得確認資料
  • 通帳・印鑑
  • 諸費用など(必要に応じて)

本人確認資料とは、運転免許証や健康保険証などです。

資金使途確認資料とは、教育ローンの借入金をどのように使うのかを証明する資料であり、具体的には合格通知書や下宿先の賃貸契約書・請求書・領収証などが挙げられます。
所得確認資料とは、勤務先から発行される源泉徴収票や住民税決定通知書などです。
さらに、Web完結契約ではなく銀行窓口での正式申込みの場合は、返済用口座の通帳と届出印が必要です。

借入

無事に正式申込みまで完了したら申込手続きは完了です。
借入希望日に指定された口座へと入金され、その後申込書に記載された支払先にお金が振り込まれます。

教育ローン申込前に注意すべきポイント

利便性の高い教育ローンですが、申込にあたって気をつけなければいけない点もいくつかあります。具体的には借入金額や審査に関するものです。申込前にしっかりと理解しておきましょう。

必要な分だけ申込む

借入可能額が大きいからといって借りられるだけ借りるのはおすすめできません。なぜなら、借入額が大きければそれだけ返済が大変になってしまうからです。
あらかじめ月々の返済金額がいくらになるのかを確認し、計画的に借入れるようにしましょう。

審査に通らない場合もある

教育ローンを利用するためには、借入先の金融機関が定める基準を満たし審査に通過しなければいけません。
たとえば、申込者の年収やその他の借入状況などから返済能力が低いと判断されてしまった場合、ローンを利用するのは難しいといえるでしょう。

関連記事:教育ローンの審査基準とは? 審査に落ちた場合の他の借入方法もご紹介!

「ちば興銀の教育ローン」ならさまざまな用途に利用可能です

この記事では、教育ローンについて基本的な情報をご紹介しました。教育ローンと奨学金は似て非なるものであり、借主が誰になるか、借入のタイミング、金利などに違いがあります。違いを理解したうえで自分に合った方法で教育資金を準備しましょう。
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2023年11月1日現在

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