新NISAとは?つみたて投資枠や成長投資枠など9つの変更ポイント

2024年1月から新NISAが始まりました。ニュースや新聞などで大きな話題となっているため、「これから新NISAで資産を構築していきたい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
新NISAは、マイホーム資金や老後資金などの準備にも役立つ制度です。つみたて投資枠と成長投資枠の仕組みや、旧NISAとの相違点を知ることで、より効率的に活用できます。
本記事では、新NISAの概要をはじめ、旧NISAからの9つの変更ポイントを詳しく解説します。実際にNISA口座を開設する前に、制度について理解を深めておきましょう。
新NISA(ニーサ)とは
NISA(ニーサ)は税制優遇を受けながら投資ができる国の制度で、正式名称は「少額投資非課税制度」といいます。
通常、売却益や配当、分配金など、投資で得られる利益には20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で投資して得られる利益は課税対象にはなりません。
1年間に投資できる上限金額や非課税で保有できる限度額は決まっているものの、利益を全額再投資に回すこともできるため、効率よく資産を形成できる方法といえるでしょう。
2014年の制度開始以降、2016年にジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)、2018年につみたてNISAが加わり、2024年1月に新しい形として生まれ変わったのが新NISAです。
旧NISAから新NISAへの9つの変更ポイント
新NISAに変わったことで、より効率的な資産形成ができるようになりました。旧NISAからの具体的な変更ポイントは以下の9つです。
- 「つみたてNISA」から「つみたて投資枠」へ
- 「一般NISA」から「成長投資枠」へ
- NISA枠が選択制から併用可能に
- 非課税保有期間が期限付きから無期限に
- 一時的な制度から恒久的な制度に
- 年間最大360万円の投資が可能に
- 非課税保有限度額が1,000万円以上増加
- 旧NISAの保有額は新NISAには含まれない
- 商品売却で非課税投資枠が復活
ここからは、それぞれの変更ポイントについて詳しく解説します。
「つみたてNISA」から「つみたて投資枠」へ
変更点 | 新NISA | 旧NISA |
---|---|---|
投資枠名 | つみたて投資枠 | つみたてNISA |
旧NISAの「つみたてNISA」が、新NISAでは「つみたて投資枠」という名称になりました。投資対象商品や買付方法は旧制度の「つみたてNISA」と同様です。
投資対象商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託のみとなっており、長期的な目線で資産形成ができる投資枠となっています。
「一般NISA」から「成長投資枠」へ
変更点 | 新NISA | 旧NISA |
---|---|---|
投資枠名 | 成長投資枠 | 一般NISA |
新NISAでは、旧NISAの「一般NISA」が「成長投資枠」という名称に変更されています。
購入できる投資対象は「一般NISA」と大きな変わりはなく、国内外の上場株式や投資信託(一部除外)といった幅広い商品を、積立方式またはスポット(一括)方式で買い付けることが可能です。
ご自身の投資スタイルに合わせて資産運用ができる方法といえます。
NISA枠が選択制から併用可能に
変更点 | 新NISA | 旧NISA | ||
---|---|---|---|---|
投資枠名 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | つみたてNISA | 一般NISA |
併用の可否 | 併用可能 | 併用不可 |
旧NISAでは、「つみたてNISA」と「一般NISA」のいずれかを選択するという制度でしたが、新NISAでは両方の投資枠を併用できるようになりました。そのため、従来の制度と比べて、より柔軟な方法で投資をすることが可能です。
例えば、「つみたて投資枠」で毎月一定額分の投資信託を購入しながら「成長投資枠」で個別銘柄を一括購入して運用していく、といった方法もあります。
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用により投資方法の選択肢が増えるため、リスクを分散させつつ非課税投資枠の恩恵を最大限に受けられます。
非課税保有期間が期限付きから無期限に
変更点 | 新NISA | 旧NISA | ||
---|---|---|---|---|
投資枠名 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | つみたてNISA | 一般NISA |
非課税保有期間 | 無期限 | 最大20年 | 最大5年 |
「つみたてNISA」が最大20年、「一般NISA」が最大5年と、旧NISAではそれぞれに非課税保有期間の期限がありましたが、新NISAでは、無期限となりました。
非課税保有期間の期限があることによって、旧NISAでは期限前に保有している金融商品を売却、または翌年の非課税枠へ移す「ロールオーバー」の手続きが必要でした。
新NISAには期限がないため、ロールオーバーは不要となり、売却のタイミングも自由に選べます。期間の縛りを受けずに長期投資が行いやすくなったことで、老後資金など将来に向けた資産形成にも役立てられます。
一時的な制度から恒久的な制度に
変更点 | 新NISA | 旧NISA |
---|---|---|
口座開設期間 | 恒久化 | ~2023年末(新規買付けは終了) |
旧NISAは一時的な制度でしたが、新NISAでは恒久的な制度に変更されています。
制度が恒久化された新NISAでは、より長期的な視点で資産形成に取り組めます。ライフステージやライフプランに応じて、投資計画を立てたり投資方法を検討したりすることができるでしょう。
年間最大360万円の投資が可能に
変更点 | 新NISA | 旧NISA | ||
---|---|---|---|---|
投資枠名 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | つみたてNISA | 一般NISA |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 | 40万円 | 120万円 |
新NISAの年間投資枠は、旧NISAと比べて「つみたて投資枠」が3倍の120万円、「成長投資枠」が2倍の240万円に引き上げられました。
前述したように、旧NISAのNISA枠は併用できませんでした。しかし、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つのNISA枠を併用し、合計360万円まで投資できます。
投資枠を最大限活用することにより、従来よりも効率的な資産形成が可能です。必ずしも年間投資枠の上限まで満額投資する必要はありませんので、ご自身のペースで投資を行うこともできます。
非課税保有限度額が1,000万円以上増加
変更点 | 新NISA | 旧NISA | ||
---|---|---|---|---|
投資枠名 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | つみたてNISA | 一般NISA |
非課税保有期間 | 無期限 | 最長20年 | 最長5年 | |
非課税保有限度額 | 1,800万円(総枠) | 800万円 | 600万円 | |
─ | 内数1,200万円 |
旧NISAでは保有できる金額は「つみたてNISA」の800万円(年間投資枠40万円×非課税保有期間20年)が最大でした。
新NISAの非課税保有限度額は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の合計が1,800万円です。そのうち「成長投資枠」の非課税保有限度額は1,200万円となっています。「成長投資枠」を満額活用した場合、「つみたて投資枠」の限度額は600万円ということになります。
旧NISAと比べて保有できる額が1,000万円以上増加したことにより、収入やライフステージに応じて資産運用の選択肢も広がるでしょう。リスクを抑えた投資と、積極的にリターンを狙う投資を同時に行うといったことも可能です。
限度額の詳細はこちらの記事で解説していますので、あわせてご覧ください。
旧NISAの保有額は新NISAには含まれない
2023年までの旧NISAにおける保有額は、新NISAへ移管(ロールオーバー)ができません。
旧NISAの保有額は、2024年以降の新NISAの非課税保有限度額の1,800万円とは別の枠として管理されます。そのため、「つみたてNISA」は最長2042年まで、「一般NISA」は最長2027年まで非課税で保有することが可能です。
新NISAを利用することで、旧NISAとは別の新たな投資枠で資産形成を進められます。
商品売却で非課税投資枠が復活
新NISAで商品を売却すると、売却した商品の簿価分の非課税投資枠が復活し、翌年以降に再び投資できるようになります。簿価とは、手数料を除く購入時の商品の買付代金のことです。
例えば、簿価が50万円の商品を売却した場合は、翌年以降に50万円分のNISA枠が復活します。非課税投資枠は簿価で計算されることから、例えば、購入時より値上がりした100万円で売却しても、値下がりした30万円で売却しても、復活するのは50万円分です。
マイホーム購入費や教育費など、まとまった資金が必要なタイミングで売却し、翌年からまた次の目的に向けて投資をするといった使い方が可能であり、新NISAは資産形成の目的に応じて柔軟に活用できるといえるでしょう。
新NISAの特徴を知って効率的に投資を行おう
新NISAは、NISA口座で投資をして得た利益に課税がされない税制優遇制度です。NISA枠の名称だけでなく、年間投資枠上限の拡大や非課税保有限度額引上げなど、旧NISAから様々な点が変更されました。
新NISAは、旧制度と比べてよりシンプルで使い勝手が良く、投資初心者でも取り組みやすい制度です。
節税効果のあるiDeCoとも併用が可能なため、制度について深く理解し、マイホーム資金や教育費など、将来のライフプランを実現するための資産形成に最大限活用しましょう。
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2025年3月14日現在