リフォームの費用相場は?お風呂やキッチンなどリフォームの内容別に紹介

ご自宅をお持ちの方にとって定期的に必要となるリフォームですが、費用の相場や適切な時期がわからないと感じている方は多いのではないでしょうか。仮に見積りを取ってもその提示金額が妥当な金額なのかわからないという方もいるでしょう。
今回はそんなお悩みを解決すべく、リフォーム内容ごとの費用相場と築年数別にリフォームが必要となる箇所について解説します。リフォーム費用を抑える方法や支払い方法についてもご紹介しているので参考にしていただけると幸いです。

リフォーム費用の内訳

リフォーム費用には大きく分けて以下の3点が含まれます。

  • 材料費
  • 施工費(人件費)
  • 諸経費

材料費はリフォームで導入する設備にかかる費用で、選ぶ材料や製品のグレードによって価格が大きく変化し、リフォームの総額に大きく影響します。

施工費(人件費)は、リフォーム工事をする職人の人件費です。

諸経費は、室内を保護する養生費や工事で出るゴミを処分する費用など、工事に関わるその他の費用を指します。

リフォーム費用には含まれませんが、工事に関する費用の他にも様々な費用がかかります。工事中に自宅に住めない場合の仮住まい費用や施工業者の駐車場代、契約書の印紙代などです。小さなものでも積み重なれば大きな負担となるため、工事以外の費用も含めて多めにお金を準備しておいたほうがよいでしょう。

【内容別】リフォーム費用の相場

ここからはリフォームの内容ごとに必要となる費用の相場やポイントをご紹介します。設備の機能や大きさ、工事規模によって費用が変動するため、ご自宅に何が必要か、どこを修繕したいかをあらかじめ考えておくとよいでしょう。

浴室・ユニットバス

浴室のリフォームは、予算として60~120万円程度をみておきましょう。新旧のユニットバスの入替えか、在来工法からユニットバスへの入替えかでも価格に違いが出てきます。一般的には、在来工法のほうが解体費用が高額であるため全体の費用も大きくなります。

在来工法の浴室はお手入れがしづらく、省エネの面でもユニットバスより劣っていることが多いです。また、冬には浴室内が寒くなり、浴槽内との寒暖差が発生しやすいため、ヒートショック(気温の変化によって血圧が乱高下し、心臓や血管に疾患が起こること)のおそれもあります。家族の健康と快適さの実現のためにもリフォームを検討したい箇所といえます。

キッチン

キッチンのリフォームは、採用する設備のグレードやキッチン全体のレイアウトを変更するかどうかで価格が大きく変わります。壁付けキッチンの位置は変えずにキッチン台のみを交換する場合、給排水工事は不要ですが、アイランドキッチンへの変更などレイアウト変更も伴う場合には給排水工事も必要となり、費用が大きくなることが予想されます。
機能の維持のための必要最低限のリフォームであれば、概ね50~100万円程度あれば可能です。また、住居がマンションか戸建てかで、リフォーム可能な内容も異なるため、まずはリフォーム会社に相談してみましょう。

トイレ

トイレのリフォームは、15~30万円が一般的な相場となります。浴室リフォームと同様に洋式から洋式への交換という同じ形態へのリフォームの場合は比較的費用はかかりません。一方、和式から洋式への交換、トイレ室内を広くする工事は費用が高くなります。

従来、トイレの設備そのものはそれほど高額ではないのですが、お手入れがより簡単なものを求めたり、省エネの観点から高機能な設備を購入する方もいらっしゃいます。

洗面台

洗面台のリフォームの相場は10~25万円が一般的ですが、洗面台の大きさやオプションの有無で価格が変動します。
毎日使用する洗面台の使い勝手が悪くなってしまうと、せっかくのリフォームも台無しです。予算と相談しながらどこまで機能を追求するか検討するとよいでしょう。

給湯器

給湯器は、同時にお湯を使用する場所の数や設置場所で費用が異なりますが、15~25万円が相場です。給湯器と一口に言っても機能が色々あるため、まずは予算を決めて選択肢を狭めるとよいでしょう。

給湯器は10年程度使用したら交換することをおすすめします。特に不具合は感じていなくても性能は落ちている可能性が高いからです。修理しようにも10年も経っていると、交換用の部品がないことがほとんどであり、結局本体ごと交換となった、修理費用が高くついたというケースも多いです。

ベランダ・バルコニー

ベランダやバルコニーは屋外にある分劣化しやすく、定期的にメンテナンスやリフォームを検討したい箇所です。防水工事のみであれば10万円程度でできます。

後付けでベランダを設置したり、サンルームをリフォームする場合、「建築確認申請」が必要となることがあります。なお、「建築確認申請」が必要な工事を行うと、建物の評価額が変わり、固定資産税が増える可能性がある点には注意が必要です。

屋根・外壁

雨風から家を守る屋根と外壁も劣化しやすく住宅全体の寿命にも直結する重要な箇所です。屋根の補修・塗り替えは約50万円~、外壁の塗り替えは100万円超えとなることもあります。
塗料のグレードや塗る面積によって費用は変動しますが、遮熱性や断熱性の優れた塗料を選ぶことで電気代の節約につながる場合もあるため、塗料選びは慎重に行いたいところです。

床下

床下は湿気がこもりやすく、その湿気が基礎のコンクリートや床材にダメージを与えます。放置すると、カビが繁殖して健康被害につながったり、土台の劣化で耐震性能が低下したりします。家族が安心安全に暮らせる家にするためにもリフォームが必須な箇所といえるでしょう。
また、防蟻処理は約10万円から実施できますが、薬剤の効果は5年程度であるため定期的なメンテナンスが必要です。

畳は劣化状況をみながら、いちばん手軽な方法となる裏返しでよいのか、畳表を新たにする表替えが必要なのか、思い切って新調するべきなのかを検討するとよいでしょう。

和室の押入れをクローゼットや新たなスペースとして活用するリフォームをしたり、そもそも洋室に変更したりと、予算に合わせて大きくリフォームを行うという選択肢もあります。

壁紙・フローリング

壁紙の張り替えは、張り替え面積と壁紙のグレードによって費用が変わります。壁紙自体に調湿効果や消臭効果が期待できるものもあるため、機能性についても予算と相談しながら検討しましょう。トイレや洗面所など狭い場所であれば5万円程度でリフォーム可能です。

フローリングの張り替えは、現在の床の状態や工法によって費用に差が出ます。
複数の部屋や広いリビングや廊下・階段などをまとめて張り替えする場合、約25万円以上が必要になります。

耐震補強

耐震補強は、耐震、制震、免震の3種類があります。筋交い(耐震性を高めるための部品)が1カ所につき5万~20万円、耐震パネルが25万~65万円と、どのレベルまで工事するかによって費用が大きく変わります。

費用がかかるリフォームとなるため、他のリフォームより補助金制度や減税制度が充実しています。リフォーム会社や自治体のほか、ローンを検討する場合には金融機関などに相談するとサポートしてくれるでしょう。

構造補強

構造補強は、土台や柱の修復・交換や、外壁・基礎部分のひび割れ補修など、改修箇所や方法が多岐にわたるため、多額の費用がかかります。実施をする場合には200万円程度の予算を考えておかないといけません。
基礎が弱っていたり、シロアリ被害が発生していたりするとさらに費用がかさむ可能性もあるため、総額がどのくらいになるか事前にリフォーム会社に確認しておきましょう。

築年数別でよくあるリフォームと目安の費用

洗面台やトイレなどの設備は、どのくらいの年数利用できるかある程度の目安があります。
ここからは築年数に分けてリフォームが必要となる箇所を解説します。

築5年~10年だと、どんなところをリフォームしたらよいか

築年数 リフォーム事業 費用感
築5~10年 床下の防蟻処理 約10万円~
畳の表替え 約3万円~
壁紙の張り替え 約5万円~10万円

築5年程度のリフォームは軽微なものが多く、費用も高額ではないことがほとんどです。
畳の表替えや壁紙の張り替えも劣化が目につくようになる築5年を過ぎた頃から行われることが多い印象です。

築10年~15年だと、どんなところをリフォームしたらよいか

築年数 リフォーム事業 費用感
築10~15年 屋根の補修、塗り替え 約50万円~
外壁の塗り替え 約80万円~
家全体の壁紙の張り替え 約50万円~

築10年程度経過するとはっきり分かるのが、屋根や外壁の劣化です。そのまま放置していると腐食が進み、結果として修繕に多額の費用がかかることがあります。このため、築10年を目処に屋根や外壁の塗り替えを行う方が多いです。

また、壁紙が汚れてきたり傷も増えるため、築10年程度で壁や天井のクロスを張り替えも検討しましょう。

築15年~20年だと、どんなところをリフォームしたらよいか

築年数 リフォーム事業 費用感
築15~20年 ベランダ・バルコニーの防水 約10万円~
給湯器の交換 約15万円~25万円
浴室・ユニットバスの交換 約60万円~120万円
洗面台の交換 約10万円~25万円

築15年~20年経つとベランダやバルコニーの防水工事を改めて行う必要があります。給湯器も10年前後が大体の寿命で、15年経つまでには交換が必要となってくる場合があります。

また、築15年を過ぎてくると気になるのが水回りです。築15年を過ぎた家の浴室を解体する際、柱の根元や土台部分の腐食が見られることもあります。ユニットバスや洗面台などは交換のタイミングです。

築20年以上だと、どんなところをリフォームしたらよいか

築年数 リフォーム事業 費用感
築20年~ 耐震補強 約120万円~
構造補強 約200万円~
キッチンの交換 約50万円~100万円
トイレの交換 約15万円~30万円
フローリングの張り替え 約25万円~

築20年を過ぎると、リフォームも大規模なものが増えてきます。構造部分が劣化してくることもあり、地震に対する備えや構造の補強が必要になってきます。

キッチン、トイレなどの水回りも交換される方が多いですが、必要に迫られてというよりはそろそろキッチンやトイレを一新しようと検討される方の需要が多いようです。フローリングの傷みや汚れも進む頃で、フローリングの張り替えが増えてくる印象です。

リフォーム費用を抑える方法

どこまでリフォームするか線引きをきちんとしておかないとどんどん費用はかさんでいきます。本当に必要なリフォームかどうかの見きわめに加えて、設備の見直しや補助金を活用するなど、リフォーム費用を抑える方法はいくつかあります。

リフォーム内容を見直す

リフォーム費用に一番影響するのが、設備や材料のグレードです。便利な機能があればあるほど生活は快適になりますが、なくても困らないような機能は切り捨てなければ費用が際限なく増加するため、ある程度の線引きが必要です。
デザイン性のある設備も高額なことが多いです。リフォーム会社からすすめられる製品が最安値のものとは限らないためご自身で調べることも検討してください。

水回り一式や屋根と外壁を同時にリフォームするなど、まとめてリフォームをすることで費用が割引となる場合があります。無理にまとめる必要はないですが、数年以内に必要となる箇所であればまとめてリフォームすることも費用を抑えるコツです。

補助金制度を活用する

補助金の内容は市区町村ごとに異なるため、事前に調べておきましょう。耐震補強や省エネにつながる断熱、太陽光発電システムの導入などのリフォームに補助金制度を活用できる自治体が多いです。

しかしながら、補助金は財源を税金で確保しているため予算や期間に制限があり、また一定の要件をクリアしなければ活用できません。リフォーム前に該当の工事が補助金を活用できるものか確認しておいたほうがよいでしょう。

また、一般的に補助金はリフォーム完了後に支払われるため、一旦は自分のお金でリフォーム費用を支払わなければいけないケースも多いです。一時的とはいえ多額の資金をどのように用意するか、あらかじめ考えておきましょう。

リフォーム費用の支払い方法

リフォーム費用は、工事が終わった後に支払いすることが一般的ですが、費用が高額であったり、工期が長かったりすると、リフォーム前や工期中に一部の支払いを求められる場合もあります。資金計画を立てるためにも支払い方法や支払い時期は早めに確認しておきましょう。

一括払い

50万円以下の比較的少額のリフォームでは一括払いとなることが多いです。洗面台やトイレのみのリフォームは少額で済む場合が多いので、該当の箇所をリフォームしたい場合は資金を準備できるか確認しておいたほうがよいでしょう。

もし一括での支払いが難しい場合はリフォームをお願いする工事業者の担当者に相談すれば支払い時期や方法を変えてくれるかもしれません。

分割払い

金額が大きい場合、分割払いとなるケースも少なくありません。分割払いといってもローンのように毎月支払うのではなく、ある程度まとまった金額を2~3回に分けて支払います。2回の場合は契約時と工事完了時に半分ずつ、3回の場合は契約時、工事中間時、工事完了時に分けて払う形が一般的です。
金額が大きく、また業者への支払いが1回で完結しないため、振込みをしたときの領収証は大切に保管しておきましょう。

リフォームローン

金融機関で取り扱っているリフォームローンを利用するのも1つの方法です。リフォームにかかる総額を融資金で受け取り、そのお金で支払いをします。その後は毎月金融機関に返済を行うというものです。
金利はかかりますが、住宅ローンと比較すると必要書類も少なく、簡単な手続きで利用できます。ただし、すでに住宅ローンなど他の借入がある場合には、返済負担が大きくなるため注意が必要です。

リフォームローンを活用して理想的な家にしよう!

マイホームは建てただけで終わりではありません。数十年もの長期にわたって家族と安心安全、そして快適に暮らすためには定期的なリフォームが不可欠です。

長期的な目線で資金を積み立てて、リフォーム資金の準備を行いましょう。時には、リフォームローンや補助金もうまく活用して自分や家族にとって最適なリフォームをしましょう。

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田場 信広(たば のぶひろ)

一級建築士、宅地建物取引士

30年近く建築業界に従事し、工務店経営・大工・設計士・現場監督・建築コンサルタントの経験を得る。
現在は、建築士として専門的な視点から建築系資材関連のコラムも執筆中。

2023年11月1日現在

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