特別座談会・人事組織づくり支援コンサルティング

~組織づくりは、想いを言語化して、伝えることから始まります。~

人材を採用できる、辞めない、売上も伸びる。そんな好循環はどうすればつくれるのか?中小企業の経営者に共通する悩み「人と教育と組織」について組織コンサルの会 代表 駒谷 誠氏、 主席研究員 渡辺 俊輔氏を招いてディスカッションを開催しました。

特別座談会パネリストのご紹介

良い会社なら社員は辞めない。
では良い会社って何だろう?

駒谷 中小企業の共通の悩みは、採用がうまくいかないことと、採用できたとしてもすぐに辞めてしまうことです。少し大げさな言い方ですが採用だけ強化してもまったく意味がないのです。結論から言うと社員が辞めない会社を作れば、採用の悩みもなくなります。いまは転職ブームですから、20代の若手社員は「会社にいても学ぶことがない」「自分の未来が見えない」と思えばすぐに転職してしまいます。でも逆に「良い会社だ」と思えば、若手社員は辞めないんです。

渡辺 社員が良い会社だと思えば辞めないだけでなくリファラル採用(従業員による紹介採用)にも期待できます。これは採用コスト面でも、カルチャーフィット面でも、お互いにメリットがあります。そのためには組織としての土壌がしっかりできていないと駄目ですね。社員が辞めていく組織は、やはり会社の中身が少しずつ悪くなっているのだと思います。経営者もどういう組織づくりをしたら良いかわからなくなって、博打のように人を雇って、そのうちの何人かが残ってくれれば良いというのでは、経営に準じた組織づくりとは言えないですね。

駒谷 我々が定義する良い会社というのは、事業戦略に準じた組織であることです。つまり「儲かる組織」を作ることです。儲からないと社員を雇うことも、給料を上げることもできません。
まずは儲かる組織を作っていくことがベースにあります。

社員教育とはスキルの教育ではなく、
生きていくことの教育です。

石橋 よく中小企業の経営者さんにお話をするのですが、いまの若い方たちには「阿吽の呼吸」は通じません。いまは多様性の時代で色々な考えの方がいるので、一人ひとりに細かく丁寧に教えていかないとなりません。理念の浸透という面でも、大切なことは3つあります。それは、伝えること、伝え続けること、そして伝える場を設けることがとても大切です。なんとなく話していても相手には伝わらないので、きちんとした伝える場を作ることが必要です。

渡辺 そのとおりですね。そもそも経営者が大事に思っていることと若手社員が大事に思っていることは相違がありますから、社長は伝えているつもりでも、若手社員には全く伝わっていないことの方が多いです。つまり一方通行のコミュニケーションになっているのです。そこで重要なのが管理職のポジションです。経営者の伝えたいことを噛み砕いて若手社員に伝えていく。そうすることで理念は社長だけではなく、社員が順番に理解できるように伝えられるようになります。

駒谷 やはり皆さんが大切にしていることは「社員に伝えていく」こと、つまり社員教育です。実はこれがとても難しくなってきています。社員同士で協力することや頑張って成長していくことって良いことだよねって、そこから教えていかないとならないです。スキルの教育ではなく、そもそも生きていくこととは何なのかという基本的なことからの教育が必要です。20代の若手社員は、自由に普通に生きていれば幸せにたどりつけると勘違いしているので、大人がこどもに向き合って話していくような、そういうスタンスでの教育が必要になっています。

今の時代「会社は学校」
部活をやってみんなで甲子園を目指すのが良い会社。

駒谷 かつては「会社は学校じゃない」「学校で何を学んできたんだ」という風潮が当たり前でしたが、いまはまるっきり逆ですね。会社という学校にきて、部活動で野球をやって、みんなで甲子園を目指そうというのが今の時代の良い会社の象徴です。甲子園を目指すことが3年後、5年後にどういう会社になりたいかという目標になりますし、短期でみれば今年の売上をみんなでどう作るかになります。実は目標すら定義されていない会社があるのも事実です。

竹下 実際に経営者から「目標をどう設定したら良いのかわからない」「何ができたら出世できるのか基準がない」という相談を受けます。目標や基準がないから若手社員から「そもそもうちの会社って出世できるんですか?」と言われることもあるのです。そういう不安や疑問に対して、こうすれば出世ができるというような枠組みをつくっていかないと、意欲のある社員の離職につながっていってしまいます。

組織づくりも事業承継も、
どちらも言語化しないと伝わらない。

石橋 中小企業の場合、社長の頭の中に色々な基準や想いがあって、それを言語化することができなくて、社員に伝わらず組織としてうまく機能しない、そんなケースがとても多いです。社長の頭の中には、こうなれば昇進させるとか、昇給させるという判断基準はあるのだけれど、社員からするとそれは見えないから、結局なにもわからないということになります。当行の「人事組織づくり支援コンサルティング」は、社長の頭の中にあることを引き出して、言語化・可視化することを行っています。そのプロセスがとても重要で組織づくりには欠かせません。よくあるフレームワークをもってきて、それに当てはめるようなやり方ではなく、社長との対話を続ける中でひとつひとつ引き出していきます。 例えば社長と社員の間だけでなく、創業社長が二代目に事業承継する際も言語化が必要になってきます。創業者は頭の中に経営ノウハウが入っているから、自分では言語化しなくても経営はできますが、後継者は言語化されていないことを引き継ぐことはできません。 当行に相談をいただくケースは、ひとつは創業社長が後継者に受け継ぐために言語化を手伝ってほしいと言われる場合と、もうひとつは後継者が受け継いだ後にお困りになりご依頼いただく場合があります。事業承継と人事組織づくり支援コンサルティングは密接な関係にありますね。

二代目社長の悩みには第三者の目線が必要です。

駒谷 創業社長から後継者に事業が承継されることは、後継者にとっては初めてのことです。創業者の言語化されていない経営を受け継ぐことの難しさに直面するはずです。組織コンサルをやっていると何度も同じような悩みや相談を受けますので、色々なパターンを見てきて熟知しています。ほとんどの創業社長は儲けるための意志が強いですが、二代目社長は儲けるということより先代のやりかたを守ろうとする傾向が見られます。このような場合でも、二代目なりのやり方で儲けていくように水を向けていきます。第三者の目線からなにがうまくいったのか、うまくいった理由はなにか、いっしょに考えてもらえるコンサルタントは、経営者にとって心強い存在だといえますね。

竹下 私もちょうど1年ほど二代目社長の支援をさせてもらっていますが、世代交代したときに「自分の中で仕組みを変えたい想いがはっきりとあるのだけれど、自分でどうやっていいかわからないので千葉興業銀行に相談したい」と声がかかりました。やはりコンサルタントからの知見が求められていると実感しましたね。

銀行がなぜコンサルティングするのか?
それは、お客様の成長が銀行の成長に繋がるから。

駒谷 数多あるコンサルティング会社と銀行のコンサルティングの決定的な違いは、銀行は何があっても逃げられないところでしょうか。通常のコンサルティング会社は、高額な報酬を受け取って儲かれば良しとするかもしれませんが、銀行の視点からみると取引先の経営がうまくいって成長しないと銀行にとってもメリットはないです。その点からも経営にしっかり入って伴走するスタンスが重要ですね。

石橋 当行だけでなくほかの地銀においてもコンサルティングサービスは実施していますが、当行の特長は「多角的、一元的、連続的」の3つのポイントにあります。多角的というのは、いろいろなテーマでコンサルティングするという意味です。要件に応じて最適な形態で支援を実施していきます。例えば「組織コンサル」というテーマでコンサルティングしたその次には「営業強化コンサル」や「社員教育」などその時々のお客様に必要なテーマでコンサルティングできる事です。一元的というのは、窓口・管理を一元化して支援する事です。例えば営業活動や採用活動にホームページのリニューアルが必要になったらホームページを作れる会社を紹介したり、ITシステムに強い会社を連れてきたりします。このように外部で支援ができる専門家を多く抱えています。こうした専門家の窓口・管理を当行に一元化することにより案件に応じて最適なご支援をする事ができます。連続的というのは、最初の支援を始めたら、その後も継続して他の課題解決の支援も続けて対応していくという事です。ハンズオンのスタイルで経営者と一緒になって考え、実行していく支援をしています。

駒谷 千葉興業銀行の支援コンサルティングは、中小企業経営者の悩みにきちんと寄り添って、一緒に考えてくれるところが魅力ですね。同じコンサルタントとして幅広く深みもあるサービスだと思います。

石橋 これからも中小企業経営者のためのコンサルティングを私たち自身ももっと学んでいきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

中小企業の皆様、
こんなお悩みありませんか?

  • 入社してもすぐ辞めてしまう
  • 明確な人事評価制度がなく不平等感がある
  • 事業承継をどうやればいいかわからない
  • 会社の3年後、5年後を思うと不安が多い
  • 社員それぞれの想いがバラバラ
  • 今の時代の社員教育がわからない

千葉興業銀行がお客様の組織づくりを
サポートします。

  • 人材育成
  • 組織診断
  • 事業戦略・組織設計
  • 人事評価制度策定・定着支援

人材コンサルティングサービスの特徴

ハンズオン(直接参画型)・
オーダーメイドの提案・支援・見直し

各社個別の状況に応じてオーダーメイドで提案、解決。また千葉を本拠地にしているため問題や疑問などが発生した際にはすぐに駆け付けられる心理的・物理的安心感があります。

千葉の中小企業に特化した実績

すでに支援を行っている企業は従業員5人~200人のところで規模も業種もさまざま。当行は千葉県で70年以上営業していることもあり千葉県内の中小企業に特化した支援実績を多く有しています。