教育ローン、国の教育ローン、奨学金の違いは何?FPが徹底比較!

この記事を読んでいる方は、お子様の教育費を預金で賄えるか不安を感じているのではないでしょうか。高校入学から大学卒業までの必要な資金は、子供1人当たりおよそ1,000万円ともいわれています。預金だけで賄うにはなかなか厳しい金額だと感じる方も多いでしょう。
この記事では、教育ローン、国の教育ローン、奨学金という3つの教育資金の調達方法について解説します。ご自身の状況に合った調達方法を知るきっかけになれば幸いです。
教育ローン(国・金融機関)とは?
教育ローンとは、扶養者である親御様が国や民間金融機関からお子様の教育資金を調達するローンのことです。資金は一括で口座に入金され、返済は借入をした翌月から親御様が行います。
お子様に苦労させたくないという親御様の想いを叶えるのが教育ローンです。契約も返済も親御様が行うため、お子様への負担をかけずに済みます。なお、同じ教育ローンでも国と民間金融機関では契約できる条件や資金用途などに違いがあるため注意が必要です。
奨学金とは?
奨学金とは、学生本人が奨学金制度を運営する団体から資金を借りる制度のことです。毎月一定額が振り込まれる形態で返済については学生本人が卒業後から行います。なお、複数の奨学金や教育ローンを併せて利用することも可能です。
返済の必要がない給付型、無利息の第一種、有利息である第二種の3種類の奨学金を提供する独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金が最も一般的です。そのほかには、自治体や民間の大学、財団から奨学金を受ける方法もあります。
教育ローンと奨学金の違いとは?
教育ローンと奨学金は教育資金を借りて返済する点は同じですが、以下の項目については大きな違いがあります。
- 借入人、返済者
- 資金の受取り方
- 返済期間
- 金利
ここでは、教育ローンと奨学金との違いについて解説します。
借入人、返済者
「誰」が借りて返済するのかが教育ローンと奨学金の大きな違いです。教育ローンは扶養者である親御様が、奨学金は学生本人が資金を借り、そして返済します。
教育ローンは、原則借入の翌月から返済が発生します。一方、奨学金は学生本人が返済を行う前提の仕組みであり、収入を得られる社会人になってから返済が開始します。
資金の受取り方
資金の受取り方にも違いがあります。教育ローンは借入金全額を一括で受け取ることが多いですが、奨学金は分割(在学期間中に毎月定額)で受け取ります。また、奨学金は入学前にはお金を受け取れないため、入学前の時点ですでに資金の不足が予想される場合は教育ローンを利用すると良いでしょう。
返済期間
教育ローンは、資金の借入れの翌月から返済が始まります。なかにはお子様の在学中は利息の返済のみとなる据え置き期間の設定ができるローンも存在しますが、据え置き期間を含めても一般的な返済期間は10年〜15年です。他方で、奨学金は卒業後から返済が開始し、返済期間は最長20年と教育ローンよりも長期の借入れができます。
金利
民間の教育ローンの金利は、1%台~4%台が一般的です。一方、国の教育ローンの金利は基本的には年2.40%(固定金利・保証料別)となりますが、世帯年収等の条件を満たす方はより低い金利が適用となることもあります。
奨学金は貸与が終わるときの金利で決まり、2022年10月に貸与が終了した方は利率固定方式で0.705%、利率見直し方式で0.2%です。
なお、無利息である第一種奨学金を借りた場合は金利がかからないので、まずは第一種奨学金の利用ができないか検討しましょう。
教育ローン(国・金融機関)のメリット・デメリット
ここからは教育ローンにおけるメリット・デメリットを紹介します。教育ローンは親御様に返済義務が発生するため、家計に影響を与えない程度の借入れに留めることが大切です。教育ローンの特徴を把握して上手に活用しましょう。
メリット
教育ローンのメリットは入学前であっても資金調達ができる点です。入学金や入学準備で資金が不足する場合でも既に入学しているかどうかによらずに資金を調達できます。進学先が遠方の場合、合格前から入居先の仮押さえをするために予想外に早いタイミングから資金が必要になる場合もあります。
千葉興業銀行の教育ローンはWEBで仮審査申込みが可能で、早ければ申込みから2週間程度で融資金がお振込みとなるため急な支払いにも対応可能です。これまでお伝えしましたように返済者が扶養者である親御様となるため、お子様への負担が少ない点もメリットです。
デメリット
教育「ローン」とある通り、金融機関から資金を借りてその後返済する仕組みのため、返済能力の有無等について判断するための審査があります。そのため、審査を通過しなければローンを利用することはできません。
また、奨学金と比較すると金利が高い点がデメリットといえます。適用金利はそのまま返済負担の多寡に直結するため、事前にシミュレーションを行い、返済可能であるかを確認する事が重要です。
奨学金のメリット・デメリット
教育ローンにメリット・デメリットがあるように、奨学金にもメリット・デメリットが存在します。奨学金の返済の大変さを知らずに申し込んでしまう学生も少なくありません。教育ローンと奨学金のどちらを利用するのか、ご家族でよく相談すると良いでしょう。
メリット
経済的にまだ自立していない学生が対象者となる仕組みのため、借入時に返済能力を問われない点が奨学金のメリットです。また、在学中は返済不要で利息も発生しません。
教育ローンと比較すると金利が低い傾向である点もメリットです。給付型の奨学金であれば返済義務がなく、卒業後の返済負担を除くことも可能です。地元の学校への進学や新聞配達など団体により特色のある条件を提示する奨学金制度もあります。
デメリット
無利息型や給付型の奨学金は返済負担が少なく申請する学生の数が多いため、希望する奨学金が利用できない可能性があります。また、卒業後の返済期間が長期間にわたる点もデメリットです。
ちば興銀の教育ローンと奨学金と国の教育ローンの違いは?
項目 | ちば興銀の教育ローン | 奨学金【JASSO・貸与型(第二種)】 | 国の教育ローン | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
主体者 | 親(扶養者) | 本人 | 親(扶養者) | ||||||
申込時期 | いつでも | 奨学金申込みは学校を通じて行われるので在学校へ要問合せ | いつでも | ||||||
申請から入金まで | 2週間前後 | 申込締切月の2カ月後に初回の奨学金を振込み(在学採用時) | 必要時期の2~3カ月前がお申込みの目安 | ||||||
利用制限 | 収入上限や学力基準による利用制限はなし | 学力と家計による2つの基準あり | 子どもが1人の場合世帯年収(所得)の上限額350万円(450万円)
|
||||||
融資対象 | 中・高校、高専、短大、大学、大学院、盲・聾・看護学校、専修学校、各種学校、進学予備校など | 大学院・大学(学部)、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)で学ぶ学生・生徒 | 中学校卒業以上のお子さまのさまざまな学校、幅広い用途に対応
|
||||||
金利 |
※保証料込 |
年3.0%が上限(「利率固定方式」と「利率見直し方式」のいずれかを選択、保証機関保証の場合、保証料が別途毎月の奨学金から差し引きかれる) | 年2.40%(固定金利・保証料は別途融資金から差し引かれる) | ||||||
返済 | 借入の翌月から返済開始(在学期間中は利息のみのご返済とすることも可能(最長4年)) | 在学中は返済不要(利息の支払いも不要) | 借入の翌月から返済開始(在学期間中は利息金利のみのご返済とすることも可能) | ||||||
保障内容 | ガン保障付プランにより、死亡・高度障害時、ガンと診断された場合、余命6カ月以内と判断された場合にローン全額免除(0.3%の金利上乗せあり) | 返還未済額の全部又は一部の返還を免除する制度あり
|
無し |
- ※お申込みにあたりましては当行所定の審査がございます。審査の結果ご希望に沿えない場合もございますので予めご了承ください。
こんな方は、ちば興銀の教育ローンがオススメ
教育ローンは、奨学金を比較すると様々なメリット、デメリットがあることが分かりました。以下に当てはまるような方は、ちば興銀の教育ローンがオススメです。
入学金/授業料などのまとまったお金が必要な場合
お子様の大学入学に際し、入学金や前期の授業料、引越し代や家賃、教科書代などまとまったお金が必要になり、その多くが入学前の支払いが必要となります。奨学金は入学後に資金が入金となる形態であり、「国の教育ローン」は申込みから融資まで2~3ヵ月が必要となります。対して、千葉興業銀行の教育ローンは申込からお振込みまで2週間が目途となっており、まとまったお金をなるべく早く準備したい場合は、ちば興銀の教育ローンがオススメです。
入学金や授業料でまとまったお金の備え方にご興味がある方は、「大学の学費はいくらかかる? 国公立大学・私立大学別の費用、資金を準備する方法」をご覧ください。
私立大学医学部や歯学部等で大きな金額が必要な場合
仮に私立大学の医学部や歯学部に入学する場合、初年度に必要となる費用の平均額は489万539円と非常に高額となります。
千葉興業銀行の教育ローンは最大借入金額が2,000万円であり、奨学金や国の教育ローンのみでは不足する場合に併せて活用することもできます。
- ※お借入金額1,000万円超は医学部、歯学部、薬学部のみとなります。
参考:奨学金(JASSO)の毎月の貸与金額は、月額20,000円~120,000円(※私立大学の医・歯学の課程の場合は160,000円に増額可能、私立大学の薬・獣医学の課程の場合は140,000円に増額可能)、「国の教育ローン」の利用上限金額は350万円(※自宅外通学や修業年限5年以上の大学などの場合は上限金額450万円)
ちば興銀の教育ローンは収入上限や学力基準による利用制限はなく、多くの人にご利用いただけます。WEBで簡単に手続ができますので、まずはお気軽に事前審査をお申込みください。
WEB完結型でのお申込みなら金利0.1%割引!
教育ローンについて詳細はこちら
教育についてのその他の記事はこちら

水上 克朗(みずかみ かつろう)
ファイナンシャルプランナー
慶応義塾大学卒業後、大手金融機関にて、営業・企画・総務などを経験。50代での人生の転機に、これまでの経験とFPの知識を活かし、自身のライフプランを見直し老後1憶円資産の捻出方法を確立。現在、執筆、監修、FP相談、セミナー・研修講師などで、ライフプラン、金融資産運用などの観点からアドバイスを行っており、その内容は、新聞、雑誌、Webなどの各メディアで数多く取り上げられている。著書に「50代から老後の2000万円を貯める方法」(アチーブメント出版)がある。
- 奨学金とは
- 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金が最も一般的です。「経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資の貸与を行い、また、経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、学生本人に「貸与」または「給付」する制度」とされています。「貸与型」と「給付型」があり、貸与型も無利子と有利子で分かれています。
- 国の教育ローンとは
- 政府系金融機関である日本政策金融公庫の教育一般貸付のことです。教育に関する過程の経済的負担の軽減と教育の機会均等を目的としており、世帯年収による制限や母子(父子)家庭の優遇があることが特徴です。350万円を上限にお金を借りることができます(一定の要件を満たすと上限450万円)。在学期間中は利息のみの返済が選択可能です。
2025年4月1日現在