車検費用はいくらかかる? 軽自動車やバイクの平均費用や法定費用を紹介!

車検(自動車検査登録)制度とは、自動車が道路運送車両法上の保安基準に適合しているかを確認し、車の所有者ならびに使用者を公的に認める検査を行う制度のことです。
車の不備による交通事故を防ぐために、自動車の所有者には定期的な車検の実施が求められています。車検を受けた自動車には車検証(自動車検査証)が交付されます。もし車検証がない状態で走行した場合、違反行為で罰則を受けることになるため注意しましょう。
さて、これから車検を控えている方の中には「車検にいくらかかるのか」といった疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は車検の費用は、保有している車の車種やどの業者に依頼するかで異なります。
この記事では、軽自動車やバイクを含む車種や業者ごとの車検費用の相場をご紹介いたします。どの業者に車検をお願いしようか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
車検費用は大きく2つに分けられる

車検費用は大きく2つに分けられます。法定費用は国や保険会社に納める費用であり、保有する自動車の使用年数や重量によって変動します。
一方、車検基本料金は点検費用や車検代行手数料など業者に支払う費用であり、車検を依頼する業者や整備内容によって変動するのが通常です。部品の交換費用も含まれるため、見積書で整備内容を事前に確認しておくとよいでしょう。
法令に基づき国や保険会社に納める費用「法定費用」
法定費用は、法令に基づき国や保険会社に納める費用であるため、削減することはできません。金額は、自動車の重量や車種、使用年数によって異なります。法定費用には以下の3種類があります。
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 印紙代
2024年7月時点における法定費用の総額は、普通自動車の場合が2万~7万円程度(契約期間2年)、軽自動車が3万円程度、バイクが1.5万円程度となることが一般的です。
自動車重量税
法定費用のうち、自動車の重量に応じて課税される費用が自動車重量税です。新規検査時であれば3年分、それ以降の車検時は2年分の税金をまとめて納付します。
普通自動車の場合、重量や使用年数のほか、エコカー減税の対象かどうかで金額が異なります。また、使用年数とエコカー減税の対象かどうかで金額が異なるのが軽自動車です。以下の表は2年ごとの継続検査時の自動車重量税です。
エコカー | エコカー (本則税率) |
エコカー外 | |||
---|---|---|---|---|---|
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||
0.5t以下 | 免税 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
~1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 | |
~1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | |
~2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 | |
~2.5t | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 | |
~3t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
エコカー | エコカー (本則税率) |
エコカー外 | ||
---|---|---|---|---|
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | ||
免税 | 5,000円 | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 |
右以外 | 13年経過 | 18年経過 |
---|---|---|
3,800円 | 4,600円 | 5,000円 |
新車新規登録時には、継続検査のほぼ半額の税額がかかると思っておくといいでしょう。
乗用車(ガソリン車・LPG車(ハイブリッド車を含む))は、2023年5月1日~2025年4月30日までに新車新規登録をすると、令和12年度燃費基準達成割合によって税率が変わります。
クリーンディーゼル車(ハイブリッド車も含む)は、2023年12月31日以前は令和12年度燃費基準を120%達成しているか否かにかかわらず、免税となっていました。
しかし、2024年1月1日~2025年4月30日に登録をする場合は、乗用車(ガソリン車・LPG車(ハイブリッド車を含む))と同じように、燃費基準を100%達成していなければ免税になりません。加えて、軽減率50%や25%というように、税率が細かく分けられるようになりました。
自賠責保険料
自賠責保険は加入が義務付けられている保険で、自賠責保険に入っていなければ運転することはできません。
自賠責保険料の車種、保険期間ごとの料金は以下の表の通りです。なお、自賠責保険料は2023年4月に新しいものが適用されて以来変わっていません。
36ヵ月 | 24ヵ月 | 12ヵ月 | |
---|---|---|---|
自家用乗用自動車 | 23,690円 | 17,650円 | 11,500円 |
軽自動車(検査対象車) | 23,520円 | 17,540円 | 11,440円 |
小型二輪自動車(250cc超) | 10,490円 | 8,760円 | 7,010円 |
印紙代(検査手数料)
印紙代は、車検証や保安基準適合証の交付を受けるための手数料であり、検査手数料とも呼ばれます。
新規検査や2年ごとの継続検査を地方運輸局長に認められた指定工場に依頼する場合、手数料金額は以下の通りです(2024年7月時点)。なお、検査には複数の項目があり、条件によって金額は異なります。
新規 | 継続 | |
---|---|---|
普通自動車 | 1,900円 | 1,800円 |
小型自動車 | 1,900円 | 1,800円 |
小型自動車(二輪) | 1,400円 | 1,200円 |
軽自動車 | 1,900円 | 1,800円 |
※継続:申請種別「保安基準適合証の提出」の場合の金額
また、ワンストップサービスであるOSS申請を利用した場合の手数料は以下の表の通りです。
新規 | 継続 | |
---|---|---|
普通自動車 | 1,700円 | 1,600円 |
小型自動車(二輪を除く) | ||
軽自動車 |
※継続:申請種別「保安基準適合証の提出」の場合の金額
OSSとは、「自動車保有関係手続のワンストップサービス」のことで、自動車を保有するための手続きや税金・手数料の納付をインターネット上で一括して行うことのできる仕組みです。
なお、普通自動車と軽自動車では申請の窓口が異なりますが、OSS申請を利用すればどちらも手数料を200円抑えることが可能です。
車検を業者に依頼する際に必要な「車検基本料金」
車検を業者に依頼する際に必要な点検費用や整備費用、事務手数料などの合計が車検基本料金です。車検基本料金には、車検にかかる人件費や代行手数料、部品交換代金なども含まれるため、その費用は車検を依頼する業者によって異なり、言い換えれば業者を選べばコストを抑えられる可能性があります。
車検費用の相場【自動車種別】
車検費用は自動車の使用年数や走行距離、車種、依頼する業者によって異なります。例えば、使用年数が増えれば部品や消耗品は劣化による交換が必要になるため、車検費用が高くなります。
また、車体が重いほど自動車重量税が増加するなどの理由によって、車検費用は高額になりがちです。ここからは普通自動車、軽自動車、バイク、それぞれの車検費用の相場をご紹介します。
ただし、あくまで料金の目安となるため、車検を受ける際は改めて業者に料金を確認しましょう。
普通自動車
前述した通り、普通自動車の自動車重量税は6段階に分けられ、自動車の重量が重くなるにつれて税額が増加するため、車検費用が大きく変動する大きな要因といえます。
以下では重量ごとに普通自動車の費用相場をご紹介します。

表のように重量が増えるごとに車検費用も増えるのが通常です。ただし、車検の依頼先によっても費用は変わるため、自分に合った依頼先を見つけるのが重要です。
軽自動車
ハスラーやタントといった軽自動車は、4万~8万円程度で車検を依頼できるでしょう。前述した通り、軽自動車は普通自動車と異なり、重量ではなく使用年数によって税額が変動します。
軽自動車は普通自動車と比較して自動車重量税が低いため、一般的に軽自動車のほうが総体の車検費用も安いといわれています。
バイク
バイクの車検は4万~6万円程度で考えておくとよいでしょう。車検が必要なのは250ccを超える二輪の小型自動車(小型二輪)です。原付や125cc超~250cc以下の二輪の軽自動車(軽二輪)は、車検を受ける必要はありません。
バイクに詳しくメンテナンスも自分でやっているという方であれば、後ほどご紹介するユーザー車検を行うことで、費用が2万円程度で済む場合もあります。
【車検実施業者別】車検基本料金と特徴
それではどこに車検を依頼できるのでしょうか。車検を依頼できる業者、支払う車検基本料金の目安は以下の表の通りです。
車検依頼先 | 車検基本料金の目安 |
---|---|
ディーラー | 4万~10万円 |
車検専門店 | 2万~7万円 |
整備工場 | 4万~9万円 |
ガソリンスタンド | 2万~8万円 |
カー用品店 | 2万~7万円 |
ユーザー車検 | 0円 |
費用や車検終了までのスピードや車検以外にも受けられるサービスにそれぞれ特徴があるため、ご自身の状況や希望に合わせて業者を選ぶとよいでしょう。
車検費用だけでなく、アフターフォローやサービスなども加味して選ぶと満足度を上げることができます。
実際には業者ごとに特徴が異なるため、あくまで業態ごとの傾向として参考にしてください。
ディーラー
ディーラー車検とは、自動車を購入したディーラーなどに依頼する形態です。車検後に故障や事故が起きるとメーカーとしての信用を失ってしまうおそれもあるため、非常に丁寧な整備を行い、部品も品質の高い純正のものを使用する傾向があります。
整備・交換部品ともに品質にこだわっているため、費用が高くなってしまうケースが多いです。
車検専門店
一般的に車検専門店では、車検に合格できるための必要最低限の整備を行うことが多く、スピードと料金の安さが特徴といえます。しかし、費用や手間を抑える分、車検の検査項目以外のメンテナンスが後日発生する可能性は高くなるでしょう。
整備工場
整備工場には、地方運輸局長に認められた「認証工場」と、その中でも技術力が高く、車検の検査用ラインを保持している「指定工場」の2種類があります。
いずれの場合もディーラーよりも安い費用で高い品質の整備を受けられることが期待できますが、代車の用意がなかったり、土日祝日は営業していないことが多い点はデメリットといえます。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも給油のついでに手軽に車検を依頼することができます。普段行き慣れた店舗に依頼できるという手軽さが利点です。ガソリン代金の割引や洗車などのサービスをしてくれる店舗もあります。
ただし、車検を依頼したガソリンスタンドとは別の整備工場に車を運んで整備・検査を行うことがあり、その場合はその分検査に時間がかかることになります。また、車検中の代車を用意していないガソリンスタンドもあるため、依頼にあたっては事前の確認が必要です。
カー用品店
大型のカー用品店で車検を受けるのであれば、交換部品が豊富にあるため、ご自身の希望に合った価格帯の部品を選べることが利点です。
一方、ガソリンスタンド同様に、車検ができる工場を併設していない場合もあり、車検が完了するまで時間がかかってしまう可能性がある点や、店舗によって整備技術に差がある点に注意が必要です。
ユーザー車検
ユーザー車検では自ら車検場に車両を持ち込み、自ら検査を行います。車検基本料金がかからないため、法定費用の負担のみで車検をすることができます。また、持ち込んだ車両に問題がなければそのまま持ち帰ることができるのも特徴です。
一方、自ら検査を行わなければならないため、相応の知識が必要となるうえ、検査に通らなかった場合には追加の費用や手間がかかってしまうリスクがあります。
車検費用を安くするためにはどうすればいい?
車種や年式、自動車の状態や業者によって、車検費用はある程度決まります。とはいえ、定期的に訪れる車検のタイミングのたびに高額な費用が発生するのは避けたいと考えるのが普通でしょう。
実は、車検費用を抑える方法があります。以下で詳しく見ていきましょう。
関連記事:車の維持費は年間でいくらかかる?支払金額を抑える方法も解説
複数の車検見積もりを取得・比較する
先述したように、車検時は法定費用と車検基本料金の2つがかかります。法定費用は国や保険会社に納めるため、どの業者でも金額は変わりません。一方、車検基本料金は業者ごとに異なります。そのため、複数の見積もりを取得して比較することで車検費用を抑えられる可能性があります。
また、見積もりで整備範囲を確認することが可能です。車検を通すのに不要な部品交換などを見送れば費用を抑えられます。ただし、走行性能に不備がある場合はきちんと部品交換してもらいましょう。
法定費用が低い車に買い替える
13年や18年同じ車を使い続けている場合、法定費用が低い車に買い替えるのも車検費用を抑えられる方法の1つです。例えば、ファミリーカーといった大型乗用車からコンパクトカーに乗り換えた場合を考えてみましょう。
新車であり、2t以下でエコカー対象外であれば、自動車重量税は32,800円かかります。1t以下のエコカー対象外であれば16,400円です。
エコカーであれば、さらに法定費用にも差が生じるでしょう。買い替えのため一時的に大きな負担はかかりますが、結果的に車検費用だけでなく燃料費も含めてコストを抑えられます。
日常的にメンテナンスを行う
日常的にメンテナンスを行うのも、車検費用を抑えるための重要なポイントです。定期的にメンテナンスをしていれば、車検の際に不備を見つけられることが少なく、故障箇所も少ないでしょう。
オイル交換やタイヤの空気圧チェックなど、定期的に行うとよいメンテナンスをこまめにしておくと、車検費用の負担を抑えられます。
車検費用が高くなってしまうケースもある
これまで解説してきたように、車検費用は自動車の使用年数や走行距離、車種、依頼する業者によって異なります。そのほか、以下のようなケースでは車検費用が高くなる傾向にあります。
- 新車登録から年数が経過している場合
- 車検時に行う整備箇所が多い場合
- 輸入車で部品を輸入する必要がある場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新車登録から年数が経過している場合
前述した通り、新車登録をしてから13年経過時と18年経過時のタイミングで自動車重量税が高くなります。
例えばエコカー減税対象外の普通自動車(1t)の場合、13年未満では16,400円ですが、13年経過で22,800円、18年経過で25,200円です。
このように、新車登録から年数が経過すると車検費用は増加することとなります。
車検時に行う整備箇所が多い場合
年式が古い自動車などの場合、整備しなければいけない箇所が多く、部品の劣化も進んでいることから交換が必要な部品も多くなるでしょう。このため、前述した法定費用(自動車重量税)とともに車検基本料金も増える傾向になります。
なお、日ごろからこまめにメンテナンスを行うことで車検時にまとめて整備する必要がなくなり、費用を抑えることができます。
輸入車で部品を輸入する必要がある場合
単に輸入車だからという理由のみで車検費用が高くなることはほとんどありません。ただ、交換用の部品を国外から輸入する必要がある場合は、輸入コストの分だけ車検費用が高くなることがあります。
また、輸入車は国産車に比べて車体が重い傾向があるため、自動車重量税が高くなる場合が多いです。
車検費用の支払いや車の購入にはマイカーローンがおすすめ!
ここまで車検費用の相場や内訳について解説してきました。
車検の費用は車種や使用年数、依頼する業者などで金額が異なります。場合によっては費用が10万円を超えることも珍しくなく、大きな負担になることが考えられます。そんなときにおすすめなのがマイカーローンです。
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2024年8月30日現在