金利と利子の違いはなに?他にも違いを知っておきたい用語を紹介

金利と利子は混同されて使われることもありますが、異なる意味を持ちます。

そのほかにも、利息や利率、年利、利回りなど似たような単語は多く、「どのような違いがあるのかわからない」と感じている方もいらっしゃるでしょう。

それぞれの違いを把握することで、ローンや預金の利回りについて正確に把握・計算できるようになり、トラブル防止に役立ちます。

この記事では、金利と利子の違いや金利の種類について解説します。

金利と利子の違い

「金利」と「利子」を同じ意味で使っている方も多いのではないでしょうか。この2つの言葉は異なる意味を持ち、金融取引において明確な違いがあります。

金利と利子の違いを正しく理解することによって、ローンの返済総額に関して理解できるだけでなく、資産運用の計画をよりスムーズに進めることができます。

そのため「金利」と「利子」の違いを明確に覚えておきましょう。

金利とは

「金利」とは、貸し借りした金額(元金)に対して、どのくらいの割合で利子が発生するのかを表すものです。

利子は「数字」で表すのに対し、金利は「割合(%)」で表します。

例えば、500万円に対して金利が1%であれば、利子(利息)は5万円です。
(※税金は考慮しないものとします。以降の計算においても同様です。)

5,000,000円(元金)×1%(金利)=50,000円(利子または利息)

ローンなど、金融機関からお金を借りる場合は、金利が高くなると返済総額が大きくなります。また、普通預金や定期預金などの預金商品については、金利が高くなれば受け取ることになる利子が増えます。

関連記事:金利とは?種類や計算方法、注意点などをわかりやすく解説

利子とは

「利子」とは、元金に金利を掛けて計算される金額です。金利が「割合(%)」で示されるのに対し、利子は具体的な「金額(円など)」で示されます。

「利子が付く」とは、お金の貸し借りをした場合に、対価として一定の金額が追加されることです。特にお金を貸した側が受け取るお金を指して、利子ということがあります。

普通預金や定期預金など、金融機関にお金を預けている場合、元金に利子をプラスした額が受け取れる総額です。例えば、100万円に対して金利が1%であれば、利子は1万円です。

なお、預金の利子には20.315%の税金がかかるため、実際に受け取る金額は異なります。

金利や利子と一緒に覚えておくべき用語

金利や利子と一緒に覚えておくべき用語には次のものがあります。

用語 意味
利息 お金を貸し借りした際に元金に追加される金額
利率 金利と同じ意味として使われる
年利 1年間あたりの利率
利回り 投資金額に対していくらの利益が得られるかを示す指標

これらの用語は、借入れや預金、投資をする際に重要になります。ぜひ、それぞれの違いを覚えておきましょう。

例えば、預金先を探す際、「年利が何%か」という点に注目する方は多く見られます。ただし、複数年お金を預ける場合、単利か複利かで実際の利息額は大きく異なります。

資産運用や借入れをする際は、利率や年利だけでなく、実際の利子・利息や利回りまでしっかり確認するとよいでしょう。

利息とは

お金を貸し借りした際に元金に追加される金額です。利子とほぼ同じ意味ですが、下記のように使い分けているケースも見られます。

  • 利子:貸した側が受け取る場合
  • 利息:借りた側が支払う場合

例えば、2,000万円に対して金利が5%であれば、利息(利子)は100万円です。

20,000,000円(元金)×5%(金利)=1,000,000円(利子または利息)

住宅ローンなど、金融機関からお金を借りている場合は、元金に利息をプラスした額が実際に返済する総額となります。

利率とは

利率とは、お金を借りる際に支払う対価を決める割合で、パーセンテージ(%)で表します。一般的に金利とほぼ同じ意味で用いられます。

ただし、「金利」は経済政策や市場動向などを説明する際に、より広い文脈で使われることの多い言葉です。

一方利率は、主に特定の商品や契約の際に具体的な数値を指す言葉としてのみ使われます。

金融機関によっては、ローンなどの借入れを行う際の利率を「借入利率」と表示することもあります。

年利とは

年利とは、1年単位の利子(利息)の割合です。利率は期間を問わない利息の割合で、月ごとの「月利」や日にちごとの「日利」など、幅広く適用されます。

年利には単利と複利の2種類があり、計算方法が異なります。

年利の種類 概要
単利 元金のみに利息が付く 100万円を年利5%で5年運用
→ 利息25万円
複利 元金と利息を合わせた額に利息が付く 100万円を年利5%で5年運用
→ 利息約27.6万円

利息を比べるとわかるように、預金や投資で長期運用を行う際は、年利が同じであれば複利のほうが有利になります。

利回りとは

利回りとは、投資元金に対して1年間で得られる収益の割合を指し、パーセンテージで表します。

「単純利回り」ともいわれる、基本的な利回りの計算方法は次の通りです。

利回り(%)=(年間収益÷投資元金)×100

この計算式を活用して、利回りを求めることができます。100万円を預けて、1年間の利子が3万円だった場合、利回りは3%であることがわかります。

利回りは、投資の成果を測る重要な指標の1つであるため、覚えておくと便利でしょう。

変動金利とは

変動金利とは、市場金利に連動して利率が変動する仕組みです。一般的に適用金利は半年ごとに見直されます。

住宅ローンの変動金利では、毎月の返済額が5年間据え置かれる「5年ルール」を多くの金融機関が設定しています。そのため、市場金利が上昇しても、月々の返済額がすぐに影響を受けるわけではありません。ただし、5年後の見直し時に、返済額が増加する可能性があります。

一般的に、固定金利より変動金利のほうが基準金利が低い傾向があります。しかし、ローンの返済中に市場金利が上昇した場合、金融機関が金利を引き上げることで支払う利息が増え、返済負担が当初の想定より大きくなるリスクがあるため、十分に注意する必要があります。

固定金利とは

固定金利とは、契約時に決めた利率が一定期間または全期間適用されるタイプです。市場金利の影響を受けないため、長期ローンを組んだ際には、金利上昇のリスクを回避することができます。

固定金利には次の2種類があります。

固定金利 概要
全期間固定型 契約時の金利を完済まで適用
固定期間選択型 一定期間のみ固定金利、終了後は変動金利に移行

一般的に、固定金利は変動金利より基準金利が高めに設定されていますが、市場の金利変動の影響を受けません。返済額が安定するため、長期的な資金計画を立てやすく、金利上昇リスクを避けたい方に適しています。

金利と利子の違いだけでなく関連用語を知ることは大事

金利とは、貸し借りした金額(元金)に対する割合をいいます。利子は、元金に金利を掛けて計算したものです。そのほかにも、利息・利率・年利・利回りなど、さまざまな言葉があります。

資金計画や運用計画を立てる際は、各用語の違いを把握しておくと、判断材料として活用できます。住宅ローンの金利タイプを選択する際や借入れ時の返済総額の計算、預金や投資のリターンを考える際にも重要です。

金利や利子に関する正しい知識を得て、自分に合った適切な商品を選択しましょう。

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2025年4月30日現在