中小企業のBCP対策における千葉興業銀行のサービスを紹介

大企業だけでなく、中小企業でも強固なBCP体制が求められるようになってきた昨今。2019年9月の台風15号では、千葉県の房総半島南部や内房地域の中小企業を中心に、305億7,200万円の被害が発生したと推計されています。※1風水害や地震災害、大火災、感染症の大流行といった非常事態において、中核事業を粘り強く継続していくためには、平時からBCP対策に取り組む必要があります。この記事では、中小企業のBCP対策のポイントや導入ステップ、千葉興業銀行(以下、当行)が提供するBCP対策向けのサービスについて解説します。

中小企業のBCP策定手順4つのステップ

中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」に基づき、BCPの策定から運用、訓練・テストまでの4つの導入ステップを紹介します。

まずは事業活動の資源と代替え手段を列挙しましょう

まずはどの事業を継続すべきかを決定し、中核事業を継続するために必要不可欠な資源(人・モノ・カネ・情報)を洗い出しましょう。同時に本社や生産拠点が被災し、必要資源が被害を受けたときのことを想定して、代替手段となりうるものも列挙します。

  1. 情報連絡の拠点となる場所
  2. 被災した重要施設・設備
  3. 臨時従業員(「被災生活支援」と「事業復旧」との2通り)
  4. 資金
  5. 通信手段・各種インフラ(電力、ガス、水道等)
  6. 情報類(バックアップの方針)

※2

臨時従業員とは、パートタイマーや契約社員といったように、雇用期間、労働時間をはじめとした労働条件を、個別に企業と結び、短い期間で勤務する社員のことを意味します。

中核事業の必要資源の優先順位づけ

中核事業の資源をリストアップしたら、個々の重要度に応じて優先順位付けを行います。BCPの策定・運用にあたっては、中核事業や基幹業務の早期復旧を目指し、一定の目標時間を設定することが大切であり、目標復旧時間までにできるだけ多くの資源を復旧できるよう、平時のうちに資源の優先順位付けをしておく必要があります。

ソフトウェア・ハードウェアの両面からBCPの立案を

風水害・地震災害などの危機的状況を想定し、中核事業や基幹業務の早期復旧に向けた具体的なBCP計画を立案します。BCPの立案にあたっては、ソフトウェア、ハードウェアの両面から考えることが大切です。

  具体例
ソフトウェア対策
  • 避難計画作成
  • 従業員連絡リスト作成
  • 防災に関する従業員教育
  • ハザードマップを事前把握
ハードウェア対策
  • 施設の耐震化
  • 柵を壁に固定
  • 防災用具購入
※2

組織体制を築き、定期訓練を実施する

BCPを策定したら、緊急事態を想定した対応体制をつくります。早期の事業復旧を完遂するためには、次の4つの機能を持つチームづくりが必要です。

チーム 機能
復旧対応機能 施設や設備の復旧等、社内における復旧対応
外部対応機能 取引先や協力会社、組合や商工会との連絡や各種調整
財務管理機能 事業復旧のための資金調達や各種決済
後方支援機能 従業員の参集管理や食料手配、負傷した従業員の対応等
※3

組織体制を構築したら、被災時を想定した訓練を実施しましょう。定期訓練の実施により、BCP発動から事業復旧までの時間を短縮できます。

ここまで、策定の手順を述べてきましたが、どのような点に着眼して対策を考えていくのかなど、多くの疑問点が浮かんでくるかと思います。そんな時にはBCP策定の専門家に相談するのもよいでしょう。

BCP見直しの必要性とそのポイントは?1年ごとに計画の見直しを

BCPは一度策定しても事業変化に応じて、その都度見直しが必要です。たとえば、次のような事業変化があった場合、BCP対策チームを編成し、事業継続計画を見直す必要があります。

  • 会社の組織体制に大きな変更があった場合
  • 取引先(供給元または納品先)に大きな変更があった場合
  • 会社の中核事業に変更があった場合
  • 新しい事業ライン、製品、またはサービスを開発した場合
  • 主要な情報通信システム、ネットワークに大幅な変更があった場合
  • 会社の業務に関連する、国や業界のガイドラインが改訂された場合
  • サプライチェーンからの要求に変更があった場合

※4

また、大きな事業変化がなかった場合でも、1年に1回はBCPの水準を見直すことがさらに強固なBCP体制を築くことができます。

千葉興業銀行が様々な観点で中小企業のBCP対策をサポート!

当行は中小企業の事業継続をサポートするため、3つのBCP対策サービスを展開しています。

コンサルティング業務:コンサルティングチームによるBCP計画策定支援

当行では、本部のコンサルティングチームが中心となり、お客さまのBCP計画の策定支援を行っています。当行は中小企業のお取引先が多く、その事情を加味したアドバイスを行うことで各社様ごとに適した災害時に強い組織体制づくりをサポートします。BCP策定に不安がある方や、BCP水準の見直しを行いたい方は、ぜひ「BCP計画策定支援」サービスをご利用ください。また、必要であれば、ITにおける現状や課題を整理する「IT診断」や「セキュリティ診断」も行います。

安否確認:災害時に従業員の安否をすばやく確認

「安否確認」サービスは、「ちば興銀 Big Advance」で利用できるサービスの1つで、災害発生時に従業員の安否を確認できます。管理画面を通じ、従業員の怪我の有無や出社意思、連絡事項などをチェック可能です。大切な従業員の状況をいち早く把握するため、BCP対策の一環として安否確認サービスを導入しましょう。

ビジネスマッチング:BCP計画実行に欠かせない業務をサポート

当行では、「防災対策」「非常用電源の準備」「ITインフラの整備」など、BCP体制づくりにあたって重要なポイントをビジネスマッチングというかたちで紹介をすることが可能です。

耐震診断・耐震工事などの防災対策
従業員の命を守るためには、本社や生産拠点の耐震診断・工事の実施が必要です。特に1981年6月以前の旧耐震基準で建設された社屋は、震度6~7程度の地震が発生したときに崩壊する恐れがあります。
1995年に発生した阪神・淡路大震災では、旧耐震基準の建築物は、約30%が大破しているのに対し、それ以降に建てられた建築物の大破件数は10%未満となっています。※5
また、2016年発生の熊本地震においては、旧耐震基準の建築物(木造)の214件(28.2%)が倒壊・崩壊したのに対して、新耐震基準の木造建築物の倒壊・崩壊は76件(8.7%)にとどまっています。※6
新耐震基準に基づいて社屋が建てられているか、耐震補強工事を実施する必要があるかを必ず確認しましょう。
蓄電池などの非常用電源の準備
風水害や地震災害に遭った際、ライフラインが途絶し、事業継続に必要な電源確保が困難になる可能性があります。2019年9月の台風15号でも、千葉県をふくむ関東広域で約93万戸の停電が発生し、復旧までに多大な時間を要しました。※7
医療機器の安定稼働に電源が必要な病院・介護施設はもちろん、夏場に空調設備が停止すると熱中症にかかる恐れがあります。「72時間の電源確保」を目安として、蓄電池などの非常用電源装置を準備しておきましょう。
在宅勤務制度やアウトソーシングの仕組みをつくり、事業拠点の分散を
本社や生産拠点が大規模な損傷を受けた場合を想定し、事業拠点の分散に取り組みましょう。今年に入ってからは新型コロナウイルスの影響で、今まで通り出勤をすることが出来ないといった状況も多く見受けられます。そこで、在宅勤務制度・テレワークに向けたITインフラの整備や、新たなビジネスパートナーの獲得といったアウトソーシングの仕組み作りをするのがよいでしょう。万が一本社機能や生産機能が失われても、複数の事業拠点があれば中核事業を継続できます。

BCP対策に取り組んで中核事業を継続させよう

平時からBCP対策に取り組むことで、本社や生産拠点が罹災しても被害を最小限に抑え、中核事業を継続することができます。また、当行では「ビジネスマッチング」「コンサルティング業務」などのサービスを提供することで、中小企業の事業継続をサポートしていくことが可能です。BCPの策定や見直し、どこから手を付けてよいのかわからない、そんな疑問を抱いているお客さまは、ぜひ当行へご相談ください。

  1. ※1千葉県災害対策本部会議 第19回会議資料
  2. ※2中小企業庁:中小企業BCP策定運用指針 3.2 BCPの準備、事前対策を検討する
  3. ※3中小企業庁:中小企業BCP策定運用指針 3.3.2 BCP発動時の体制を明確にする
  4. ※4中小企業庁:中小企業BCP策定運用指針 3.5.2 BCPの維持・更新を行う
  5. ※5阪神・淡路大震災による建築物等に係る被害
  6. ※6「熊本地震における建築物被害の原因 分析を行う委員会」報告書のポイント
  7. ※7経済産業省:台風15号に伴う停電復旧プロセス等に係る検証について