投資信託のリスクとは?金利変動などの7つのリスクと軽減する方法

「投資信託での資産形成に興味はあるけど、リスクが心配」と考えて、動き出せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。投資信託に限らず、金融商品にはリスクがつきものですが、投資信託は比較的リスク分散しやすい金融商品であり、投資初心者でも少額から始めやすいことが特徴です。
投資する際に大切なことは、どのようなリスクがあるのか正しく理解したうえで、リスクとリターンのバランスを考えた運用を心がけることです。
この記事では、投資信託の7つのリスクについて解説します。
投資信託の7つのリスク
漠然と「投資は貯蓄よりもリスクが高い」と考えている方は多いでしょう。
そもそも一般的にリスクといえば「危険が生じる可能性」のことを言います。投資信託におけるリスクとは投資した際の結果の不確実性のことで、「リターンの変動(振れ幅)の大きさ」を意味します。
具体的には、投資信託には主に以下の7つのリスクがあります。
- 金利変動リスク
- 価格変動リスク
- 為替変動リスク
- 信用(デフォルト)リスク
- 償還リスク
- 流動性リスク
- カントリーリスク
それぞれについて詳しく解説します。
金利変動リスク
金利変動リスクとは、金利の変動によって投資信託の基準価額が変動するリスクです。市場金利は日々変化しており、なかでも債券は、金利変動の影響を受けやすいという特徴があります。
債券とは、国や企業などが、投資家からお金を調達する際に発行する有価証券のことです。一般的に、金利が上がると債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。そのため、債券が含まれている投資信託は、金利の影響を大きく受けます。
これに加えて注意すべきは「政策金利」です。政策金利とは、日本銀行が設定する短期金利(誘導目標金利)のことで、景気が悪い局面では金利を下げて消費や設備投資を促進させ、景気の良い局面では金利を上げて過剰な景気上昇を抑えます。
政策金利は預金や貸出金利、長期金利などに大きな影響を及ぼすため、政策金利の動向は株式市場にも影響を与えることを認識しておく必要があります。
価格変動リスク
価格変動リスクとは、投資信託に組み込まれている株式や債券の価格が変動する可能性のことです。価格が下落するリスクだけでなく、上昇や下落の価格の振れ幅のことを意味します。
株価に最も大きな影響を与えるのは、企業の業績です。一般的に業績が悪化すると企業の株価は下落し、業績が上向けば株価は上昇します。業績以外にも、景気や為替レート、国内外の政治情勢にも影響を受け、最終的な株価は市場における需要と供給の関係によって決まります。
債券は、一般的に金利と連動した動きをすることが特徴で、金利が下がると価格が上昇し、金利が上がると価格が下落します。債券の発行元の経営状況も価格に影響します。株式や債券の価格が変動することで、結果として投資信託の基準価額も変動します。
為替変動リスク
為替変動リスクとは、為替レートが変動する可能性のことを指します。外国通貨建ての資産に投資する投資信託は、為替変動が基準価額の値動きに影響します。一般的に、円高は基準価額にはマイナス要因に、円安はプラス要因となります。
外貨建ての資産に投資する投資信託の中には、為替変動の影響を回避する仕組みを取り入れた商品もありますが、為替リスクがゼロになるわけではありません。外国の株式や債券に投資する商品には為替リスクがあることを理解しておきましょう。
信用(デフォルト)リスク
信用リスクとは、デフォルトリスクとも呼ばれ、株式や債券を発行する国や企業が財政難や経営不振などを理由に債務不履行に陥る可能性のことです。信用リスクの発生は企業だけではなく、国債の発行元である国にも起こる場合があります。
信用リスクが高まると、企業や国の債券や株式の価格は下落し、あらかじめ定めた条件で利息が支払われなくなるリスクを伴います。
さらに、発行元が破綻したり倒産したりする事態となれば、元本の回収もできなくなるため注意が必要です。財政難や経営不振が予想される企業への投資は控えるなど、見極めが重要です。
償還リスク
投資信託における償還とは、運用を終えて信託財産が清算され、償還日時点の保有者に資金が返還されることをいいます。償還リスクとは、意図しない時期に清算される可能性のことです。投資信託では繰上償還、債券では途中償還や早期償還、期中償還などと呼びます。
繰上償還は、運用会社や信託銀行などが業績不振で事業継続できなくなり、投資信託の運用自体が成り立たなくなった場合などに行われます。
債券の途中償還には定時償還と任意償還の2種類 があります。定時償還は、一定の据置期間を経た後に、一定の期日に一定の金額をあらかじめ定めた方法に従って償還する方法です。これに対して任意償還は、一定の据置期間を経た後に、発行者が任意に全部または一部を繰上げて償還することをいいます。
流動性リスク
流動性リスクとは、保有している金融商品を売却したい場合に、市場での取引量が少ないことなどを理由に希望のタイミングや価格で取引できない可能性のことです。
例えば、株式市場では、発行元企業に何らかの問題が生じて上場廃止のリスクが高まった場合、株の売り注文が増える一方で買い手がつかない状況が発生し、売りたくても売れなくなってしまいます。
このように、売り手と買い手の需給の不一致によって、流動性リスクが発生する恐れがあります。
カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資先の国の政治・経済・社会情勢の変化によって、投資した資産の価値が変動するリスクのことです。
特に国債など、国が発行元となる債券に投資している商品の場合、発行元の国の情勢は重要です。「国なら安心だろう」との思い込みで投資するのはリスクが高く、国自体が経済危機に陥る場合があります。
一般的に、先進国と比較すると、新興国のカントリーリスクは高いといえるでしょう。債務不履行になる危険性が高い国の国債ほど、金利が高い傾向がある点に注意する必要があります。
投資信託のリスクとうまく付き合うためには
投資信託のリスクとうまく付き合うポイントとしては、「長期・積立・分散」投資が挙げられます。
長期投資とは、短期間で売買を繰り返すのではなく、長期的に金融資産を保有し続ける方法のことです。金融商品の価格は日々変動するため、一時的には価格が下がることがあります。投資期間が長くなるほど短期的な市場動向に左右されにくくなり、平均収益率が安定する傾向があります。
積立投資とは、毎月など一定の期間ごとに、決められた一定の金額を買い付ける方法のことです。投資信託の基準価額の値動きを正確に予測することは困難なため、あるタイミングで一括で購入しても、すぐに価格が下がる場合があります。毎月一定額を積み立てていく方法なら、投資のタイミングを見計らう必要がなく、運用成果がタイミングに左右されにくいメリットがあります。
また、積立投資は定額で購入する方法であるため、価格が高い時には量を少なく、価格が安い時には量を多く購入します。結果として平均取得単価が引き下げられ、基準価額の変動の影響が相対的に小さくなる点もメリットといえるでしょう。
分散投資とは、投資先を分散させることです。1つの投資先に資産を集中させてしまうと、投資先の業績が悪化した際の影響が大きくなります。投資先を分散させることで、特定の資産が目減りした場合でも、資産全体としては影響を最小限に抑えることができます。
一般社団法人全国銀行協会「「教えて!くらしと銀行|投資のリスクを減らすポイントは『分散投資』と『長期投資』」
投資信託のリスクを正しく理解したうえで始めよう
銀行預金と比較すると投資信託には元本保証がありませんが、「長期・積立・分散」のポイントを押さえて投資することで、リスクとうまく付き合いながら資産運用することが可能です。
「リスク=危険」と捉えるのではなく、「将来的に起こりうる可能性」として正しく向き合うことが大切です。
特にNISAは、運用益が非課税で金融庁が長期運用に適していると認めた商品から選べるなど、多くのメリットがあります。NISAを上手に活用することは、これからの資産形成の大きな一助となるでしょう。
投資信託を始めるならちば興銀のNISAで!
ちば興銀では、つみたて投資枠、成長投資枠で購入できるファンドを多数ご用意しています。
つみたて投資枠の対象となる商品は、コストを抑えて長期間の運用に適した商品を取り揃えています。成長投資枠の商品は、積立投資も一括投資も可能で、投資の方法に自由度を持たせたい方に最適です。
お客さまのライフプランや投資の目的、リスクの許容度によって最適な商品は異なります。ちば興銀では、お客さま一人ひとりに合った銘柄選びや積立金額のご提案をいたします。投資が初めての方にもわかりやすくご説明いたしますので、ご安心ください。将来に向けた資産形成をちば興銀でスタートさせましょう。
2025年4月4日現在