子供名義の銀行口座は必要?口座開設のメリット・デメリット・注意点を紹介

子供の将来に備えて、子供名義の銀行口座を準備しておくべきか迷っていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。子供名義の銀行口座には、親と子供、双方にとって多くのメリットがあります。

この記事では、子供名義の銀行口座を開設するメリットやデメリット、開設の際のチェックポイントなどを解説します。ぜひ参考にしてください。

子供名義の口座開設とは

子供も大人と同じように、自分名義の口座を開設できます。

子供名義の口座を開設する主な目的は、以下の3つです。

  • 将来的に子供の教育費として使うため
  • お年玉や祝い金などを預けておくため
  • 子供が自分でお金を管理するため

子供の教育には想像以上にお金がかかります。子供名義の口座で教育費を管理すれば、現在の貯蓄額や不足額を正確に把握でき、計画的にお金を貯められるでしょう。子供が受け取ったお年玉や祝い金なども一緒に貯めておくのもおすすめです。

また、子供が一定の年齢になったら、子供自身に口座を管理させることによって金融教育に役立てることもできます。

子供名義の銀行口座はいつから開設できる?

子供名義の口座開設は0歳から可能です。生まれたばかりの赤ちゃんでも問題ありません。子供に代わって親権者または未成年後見人(法定代理人)が開設手続きをします。

「子供が生まれると外出が難しくなるため、生まれる前に開設したい」と考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、口座を開設するためには、戸籍謄本やそれに準ずる本人確認書類の提示が必要なため、生まれる前に口座を準備することができない点には注意が必要です。

子供名義の口座開設における4つのメリット

親名義の口座で子供に必要なお金の管理をすることもできますが、子供名義の口座を開設することには多くのメリットがあります。

  • 教育資金を分けて管理できる
  • 入出金に自由度がある
  • 子供がお金を学ぶきっかけになる
  • 親子の思い出になる

それぞれについて詳しく解説します。

教育資金を分けて管理できる

教育資金を生活費とは別に管理できることは大きなメリットです。

生活費と同じ口座で教育費をやりくりする場合、生活費に圧迫されて教育費を計画的に貯められないリスクが高くなります。生活費の口座は日常的にお金の出入りがあるため、現時点の貯蓄額を正確に把握できないことも問題でしょう。

文部科学省の調査によると、幼稚園から大学まですべて公立の学校へ通った場合の教育費は約850万円程度必要です。私立の学校へ通った場合はさらに高額な費用を用意しなければなりません。

国公立大学を含めた大学の学費も増加傾向にあり、計画的に備える必要があります。

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果を公表します」[PDF:1,476KB]

出典:文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」[PDF:69.4KB]

関連記事:大学の学費は4年間で平均いくらかかる?資金を準備する3つの方法

入出金に自由度がある

入出金の自由度が高いことも、子供名義の口座開設のメリットです。なぜなら、積み立てたお金を自由に引き出せない学資保険とは異なり、普通預金の口座であれば、いつでも入出金ができるからです。

学資保険とは、子供の教育費のための貯蓄型の保険のことで、進学のタイミングで祝い金を受け取ることができます。子供の教育費に備える選択肢の1つとして、すでに検討しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

学資保険は、保険料を払い込むことで自動的にお金を貯められるため、教育費を計画的に準備できることがメリットです。

しかし、積み立てたお金を自由に引き出せないことや、途中解約のタイミングによっては解約返戻金が払い込んだ保険料を下回るリスクがあります。

これに対して、子供名義の口座を活用した教育費の貯蓄なら入出金の自由度が高く、家計の収支の変化にも柔軟に対応しやすいメリットがあります。

子供がお金を学ぶきっかけになる

子供がお金の管理ができる年頃になったら、自分名義の銀行口座の存在を伝え、お金の管理を任せてみるとよいでしょう。

自分で収支の管理をすることで、お金の使い方や大切さを学べます。「すぐに使わないお金を銀行に入金して貯める」ことや、「お金を預けると残高が増え、引き出したら残高が減る」といった経験は、大人になってから家計を管理するためのよい機会になるでしょう。

デビットカード付きの銀行口座なら、将来的にお金やクレジットカードを管理する際の練習にもなります。

親子の思い出になる

銀行口座を活用して親子の思い出をつくる方法として、「出生体重貯金」があります。出生体重貯金とは、子供の生まれた日時や体重、身長などと同じ金額を子供名義の銀行口座に入金して記録として残すことです。

入金の際に「振込人の氏名」の項目を「BIRTHDAY」や「WEIGHT」などに変更することで、入金額にどのような意味があるのかを伝えられます。

ただし、全ての銀行で行えるというわけでないので、口座開設前に確認しておくことが重要です。

また、通帳の発行には手数料がかかる銀行もあるため注意が必要です。

子供名義の口座を開設する3つのデメリット・注意点

子供名義の口座開設には親子双方にメリットがあることを解説しました。一方で、以下のようなデメリットや注意点も存在するため、理解しておく必要があります。

  • 長期間放置すると休眠預金に認定される
  • 子供が成人すると本人しか口座の手続きができなくなる
  • ケースによっては子供の口座に贈与税がかかる

それぞれについて詳しく解説します。

長期間放置すると休眠預金に認定される

10年以上入出金がない口座は「休眠預金」の扱いとなり、民間公益活動に活用されます。これは、休眠預金等活用法に基づいた措置であり、休眠預金等は、金融機関から預金保険機構を経由して指定活用団体に交付されます。

休眠預金になっても、手続きすれば再度お金を引き出すことは可能です。しかし、通帳やキャッシュカードに加えて本人確認書類などが必要になるため、時間と手間がかかります。

「出産祝いを貯金しておいて、子供が大人になったら渡そう」と考えていた場合は、10年間取引がないと休眠預金の扱いになってしまうため注意が必要です。口座開設後は休眠預金にならないよう、定期的にお金の出し入れを行いましょう。

出典:金融庁「長い間、お取引のない預金等はありませんか?」

子供が成人すると本人しか口座の手続きができなくなる

子供が未成年の間は、親が代理人として口座開設の手続きや入出金ができますが、成人後は親が手続きを代行しにくくなります。

子供が満18歳になり成人を迎えたあとは、子供自身で口座を管理しなければならない可能性が高いです。委任状などを用意して親が手続きを代行する方法はありますが、父親や母親であっても原則として入出金を行うことは難しくなるでしょう。

子供が成人したあとも、大学の学費などでまとまったお金が必要になる場合が考えられます。子供名義の口座で教育費を管理する場合は、成人後の取扱いについて考えておきましょう。

ケースによっては子供の口座に贈与税がかかる

贈与税の基礎控除額である110万円を超えて贈与した場合は、親子間であっても贈与税が発生し、財産を受け取った側が税金を支払わなければなりません。

また、子供名義の口座とはいえ、親が口座を管理している期間は口座内のお金は親の財産とみなされます。そのため、暦年贈与と認められない場合がある点にも注意が必要です。

暦年贈与とは、贈与税の基礎控除額を活用した贈与方法のことで、毎年110万円までの金額を他人に贈与することです。

なお、子や孫などに教育資金を贈与する方法としては、「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」を活用する方法があります。2026年3月末までに、父母や祖父母などから30歳未満の子や孫などに対して教育資金を贈与する場合、受贈者1人あたり最大1,500万円までが非課税となります。

出典:文部科学省「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」

子供名義の銀行口座開設に必要なもの・口座開設の流れ

子供名義の銀行口座を開設する場合、一般的に以下の書類が必要です。

書類
本人確認書類(子供) マイナンバーカード
各種健康保険証 など
本人確認書類(親権者または法定代理人) マイナンバーカード
各種健康保険証
運転免許証
パスポート など
関係を証明する書類 住民票の写し
戸籍謄本・戸籍抄本
母子健康手帳
各種健康保険証 など

一部の銀行では、印鑑不要で子供名義の口座を開設できます。印鑑の必要性については銀行によって扱いが異なるため、事前に確認しましょう。

必要書類の準備ができたら、親権者または未成年後見人(法定代理人)が銀行窓口へ来店します。口座開設の申込書に必要な情報を記入し、窓口へ提出しましょう。

なお、一部の銀行やネット銀行では、インターネットから口座開設の手続きが可能です。

子供名義の銀行口座はしっかり選んで開設しよう

子供名義の銀行口座は0歳から開設でき、生活費とは分けて教育費を管理できたり、子供がお金について学ぶきっかけとなったりといったメリットがあります。

一方で、休眠預金に認定されないように定期的に利用するなど、注意点も存在します。

子供が生まれる予定の方や、すでに子供がいるものの銀行口座を作っていない場合は、口座開設を検討してみてはいかがでしょうか。

子供名義の銀行口座を作るなら、ちば興銀で!

ちば興銀では、子供名義の口座を開設できます。

お子さまの本人確認書類と親権者の本人確認書類をご提示いただき、住所等の確認をさせていただいたうえで、銀行口座の開設が可能です。

また、ちば興銀のアプリでは『家族口座見守りサービス』という機能があります。見守る人(親)のちば興銀アプリで見守られる人(子供など)の口座取引や残高の照会ができる機能です。

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詳しい機能や登録方法は下記からご確認ください。

お子さま名義の銀行口座の開設を検討されている方は、ぜひちば興銀での開設をご検討ください。

水野崇

水野 崇(みずの たかし)

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部応用数学科卒業。
相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など多方面で活動している。
学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。
テレビ朝日「グッド!モーニング」、BSテレ東「マネーのまなび」などに出演。
NHK土曜ドラマ「3000万」の家計監修を担当。

<資格>1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、証券外務員1種 など

【URL】https://mizunotakashi.com

2025年9月12日現在