トイレリフォームの費用はどれくらい?補助金・助成金対象になるケースを紹介

最近では、節水型やバリアフリー化、掃除のしやすさなどの機能性を高めるためにトイレのリフォームを検討する方も増えています。

トイレのリフォームにはまとまった費用がかかりますが、工事内容によっては国や自治体の補助金・助成金を活用できるケースもあります。

この記事では、トイレリフォームの費用相場や補助金・助成金対象となるケースについて解説します。

トイレリフォームの費用相場一覧(工事内容別)

トイレ本体の交換や温水洗浄便座の設置など、標準的なトイレリフォームの費用は15万~40万円程度です。

床材の張替えや壁紙の変更など、内装リフォームを含めた場合でも50万円以内に収まるケースが多いですが、工事内容やグレードによって費用に幅があります。

工事内容ごとの費用の目安は、下記の通りです。

工事内容 費用の目安 工期目安
トイレの移動 30万~60万円 2~5日
トイレ全体のリフォーム 14万~32万円 1~2日
トイレ本体を洋式に交換(和式から) 15万~75万円 1~5日
トイレ本体の交換(洋式) 15万~35万円 1~2日
床の張替え 2万~8万円 6時間以下
壁・天井の張替え 1万~6万円 1~2日
バリアフリー化 1万~18万円 1~2日
温水洗浄便座の設置・便座のみ交換 5万~15万円 6時間以下

実際の金額や日程は、設備仕様や工事条件によって異なるので確認するようにしましょう。

トイレのリフォーム費用は戸建てとマンションで変わる?

トイレリフォームの費用は、戸建てとマンションとでは大きな差はありません。

ただし、建物の構造によって可能な工事内容は異なります。

戸建ては排水管や電源の位置を柔軟に変更できますので、トイレの移動や増設、バリアフリー化など大規模なリフォームが可能です。

一方、マンションは構造上の制約や管理組合の規約の影響で、設置できるトイレの種類や位置に制約を受ける場合があります。工事前に配管や規約内容を確認しておくと安心です。

トイレリフォームで補助金・助成金対象になるリフォーム

トイレリフォームの中には、工事内容によって国や自治体からの補助金・助成金制度を利用できるものもあります。

制度ごとに申請条件や補助金額、受付期間が異なるので、事前に対象となる工事内容を確認しておきましょう。

ここでは、主な補助金・助成金の対象となるリフォーム例を5つ紹介します。

  • 節水型トイレへのリフォーム
  • バリアフリー対応のトイレへのリフォーム
  • 和式トイレから洋式トイレへのリフォーム
  • 三世代同居のための増設リフォーム
  • トイレ内窓の断熱化リフォーム

関連記事:【2025年版】国のリフォーム補助金一覧!利用条件や具体例を紹介

節水型トイレへのリフォーム

節水型トイレとは、少ない水量でしっかり洗浄できるタイプのトイレです。従来は1回の洗浄で13リットル前後の水を使っていましたが、最新モデルでは4~6リットル程度まで削減できます。

水流も縦から渦巻き状へと変わり、便器素材の防汚性能も向上したため、少ない水でも効率よく汚れを落とせます。水道代の節約にもつながるため、家計にもやさしいのが特徴です。

リフォーム費用の目安は最低でも15万円かかります。ですが、子育てグリーン住宅支援事業の対象のため、補助金が最大で2万1,000円支給されます。

ただし、子育てグリーン住宅支援事業の補助金の対象となるには、トイレ交換だけでなく、必須工事である窓などの開口部の断熱改修か家や部屋の断熱改修と一緒に行わなければなりません。

出典:国土交通省・環境省「事業概要|子育てグリーン住宅支援事業

掃除のしやすい節水型トイレへのリフォームは補助金額が変わる

掃除のしやすいトイレとは、凸凹の少ないデザインや汚れが付きにくい素材でできたものです。掃除の手間を減らせるだけでなく、清潔で衛生的なトイレになります。

便器や便座の隙間が少なく、汚れの付着を防ぐコーティングや除菌機能を備えたタイプもあります。

リフォーム費用の目安は15万円~30万円ですが、節水型かつ掃除のしやすい機能を持つトイレは、補助金が最大で2万3,000円となります。

出典:国土交通省・環境省「エコ住宅設備の設置【リフォーム】|子育てグリーン住宅支援事業

バリアフリー対応のトイレへのリフォーム

要介護または要支援の認定を受けている方が安心してトイレを利用できるように行うリフォームは、国や自治体が実施する補助金・助成金制度の対象になります。

対象となる工事には、便座や便器の交換のほか、転倒防止のための手すり設置、車椅子での使用を想定した出入り口の拡張や床面積の拡大などがあります。

子育てグリーン住宅支援事業の補助金額は手すりの設置で最大6,000円、スペース拡張で最大2万8,000円です。自治体が独自に実施している場合は、対象者の条件や金額が異なるため事前の確認が必要です。

また、介護保険による住宅改修制度を併用できる場合もあります。

出典:国土交通省・環境省「バリアフリー改修【リフォーム】|子育てグリーン住宅支援事業

和式トイレから洋式トイレへのリフォーム

和式トイレから洋式トイレへのリフォームは、自治体が独自に実施する補助金・助成金制度の対象となる場合があります。

高齢者や障がい者が安心して利用できるようにすることを目的としており、対象者や金額は地域によって異なります。

例えば、東京都足立区の助成金は最大8万円です。

和式トイレから洋式トイレへのリフォームを検討していらっしゃる方は、助成対象かどうか、事前に自治体の公式サイトや窓口で最新情報を確認してみましょう。

出典:足立区「住宅改良助成制度

三世代同居のための増設リフォーム

国の長期優良住宅化リフォーム推進事業において、三世代同居を目的としたトイレの増設工事が補助対象となる場合があります。

トイレだけでなく、浴室や玄関、キッチンの増設など、親・子・孫の三世代が安心して暮らせる住環境を整えるための改修工事全般が対象となります。

補助額は、対象となる三世代同居対応改修工事費の3分の1です。補助を受けるには、劣化対策や耐震性、省エネ対策など一定の基準を満たす必要があります。

出典:国土交通省 令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業「三世代同居対応改修工事の内容[PDF:255KB]

トイレ内窓の断熱化リフォーム

トイレ内に内窓を設置して断熱性を高めるリフォームは、国の先進的窓リノベ2025事業における補助対象です。

断熱性能の高い窓にすると冷暖房効率が上がり、冬の寒さや夏の暑さを軽減できます。省エネ性の向上と光熱費の削減を目的としたリフォームに適しています。

結露防止やヒートショック対策にもつながり、快適で健康的な住環境づくりに効果的です。

補助金額は窓のサイズや性能に応じて異なります。トイレの内窓は1.6m²未満であることが多く、1カ所あたり1万2,000~4万6,000円の補助を受けられます。

ただしこの制度は、窓の断熱改修に特化しているため、便器交換や内装工事など、トイレ本体のリフォーム自体は対象外となる点にご注意ください。

出典:環境省「事業概要|先進的窓リノベ2025事業

トイレリフォームで補助金・助成金対象にならないリフォーム

壁紙の張替えや節水型ではないトイレに交換する場合などは、補助金や助成金の対象外となります。

また、必須工事が不足している場合や、補助金の合計額が基準を満たしていない場合も、補助金対象とはなりません。

例えば、子育てグリーン住宅支援事業の補助金対象となるためには、「開口部の断熱改修」「躯体の断熱改修」「エコ住宅設備の設置」のうち、2つ以上の工事を行い、補助金額の合計が5万円を超える必要があります。

トイレリフォームで補助金や助成金の活用を検討している場合は、リフォーム内容が申請条件を満たしているかを事前に確認するようにしましょう。

出典:国土交通省・環境省「事業概要|子育てグリーン住宅支援事業

トイレリフォームで減税を受けることも可能

トイレリフォームの内容によっては、所得税の控除や固定資産税の減額措置を受けられる場合があります。

例えば、年齢や要介護認定などの条件を満たした方がバリアフリーリフォームを行うと、一定の減税制度が適用されます。

また、窓の断熱改修など省エネ性能を高めるリフォームを行った際に、省エネリフォーム減税の対象となることもあります。

ただし、自動的に税金が減額されるわけではありません。減税を受けるには、確定申告など所定の手続きが必要です。

確定申告には申請期限があるため、早めに確認しておきましょう。

関連記事:【2025年最新版】リフォーム減税制度や確定申告書類を徹底解説!

トイレリフォームは補助金・助成金制度でリーズナブルに

トイレリフォームの際に節水型トイレを選ぶと、水道代を節約できます。それだけでなく、掃除やお手入れがラクになるでしょう。

介護が必要な家庭では、手すりの設置や出入り口の拡張などで安全性が高まり、介助者の負担も軽くなります。

バリアフリーや省エネを目的としたトイレリフォームは、補助金や助成金制度を利用できる場合があります。

ただし、複数のリフォームを行うことを条件とした補助金もあります。適用条件や申請方法を確認し、制度を上手に活用しながら、負担を抑えて快適なトイレにしましょう。

トイレリフォームならちば興銀のリフォームローン!

トイレリフォームを検討しているなら、補助金や助成金制度を上手に活用しつつ、残りの費用はちば興銀のリフォームローンで無理なくカバーしましょう。

トイレが故障するなどの緊急時には、修理とリフォームを同時に行い、代金を先に支払うケースもあるでしょう。

先に支払った場合でもちば興銀のリフォームローンなら、工事内容しだいでは支払後の3ヵ月以内であればローンを利用できる可能性があります。

来店不要でWEBから簡単に申し込めるほか、お電話での受付も可能です。お気軽にご連絡ください。

水野崇

水野 崇(みずの たかし)

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部応用数学科卒業。
相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など多方面で活動している。
学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。
テレビ朝日「グッド!モーニング」、BSテレ東「マネーのまなび」などに出演。
NHK土曜ドラマ「3000万」の家計監修を担当。

<資格>1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、証券外務員1種 など

【URL】https://mizunotakashi.com

2025年12月11日更新