車の維持費は年間・月々でいくら?4つの内訳と7つの安くする方法を紹介!

車の購入を検討している方の中には、購入後にどれくらいの維持費がかかるのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。車両本体価格だけで数百万円と高額な支払いとなるうえに、定期的に発生する維持費が大きな負担となれば、家計を圧迫するおそれがあります。
家族や自分の生活を豊かにする道具である自動車ですが、その費用で生活が苦しくなってしまっては本末転倒です。

しかし、車の維持費はある程度予想することが可能です。そのうえ、維持費を抑える方法もあります。

本記事では、車の購入後の維持費がどれくらいかかるのかを示したシミュレーションや維持費を安く抑える方法について解説しています。

自動車の購入を検討している方や維持費について気になっている方はぜひ参考にしてください。

【シミュレーション】年間・月々の車維持費はいくらになる?

車を維持するのに必要な費用として、以下の4つが挙げられます。

  • 税金(自動車税など)
  • 保険(自賠責保険など)
  • メンテナンス(車検など)
  • 利用(ガソリン代など)

以下では、実際に普通自動車「プリウス」、軽自動車「N-BOX」が年間でどれくらい維持費がかかるのかをシミュレーションしました。

【自動車初回新規登録2024年1月1日以降・エコカー減税対象車・走行距離500km/月(ガソリン代168円/L)】
プリウス(普通自動車、総排気量2,000cc以下・
車両重量2.0t以下・燃費26km/L)
N-BOX(軽自動車、燃費21km/L)
毎年 2年ごと 毎年 2年ごと
自動車税(種別割)/
軽自動車税(用途割)
9,000円 10,800円
自動車重量税 免税 5,000円
自賠責保険 24カ月分
17,650円
24カ月分
17,540円
印紙代 1,800円 1,800円
任意保険 80,000円 45,000円
車検(メンテナンス)費用 20,000円程度 18,000円程度
ガソリン代 38,770円 48,000円
駐車場賃料 115,000円程度 115,000円程度
月額 20,230円 23,518円 18,233円 21,761円
年間合計 242,770円 282,220円 218,800円 261,140円
本田技研工業株式会社「N-BOX 主要諸元主要諸元5台の平均燃費値を使用

プリウスやN-BOXは、グリーン化特例やエコカー減税などの免税制度を活用することが可能なため、通常の自動車税/軽自動車税や自動車重量税を規定金額から減らすことが可能となっています。

車の維持費① 税金

車の税金には自動車税(軽自動車税)と自動車重量税の2種類があります。自動車税は総排気量で、自動車重量税は自動車の重量によって税額が変わります。

使用用途と登録日によって金額が変動するのは軽自動車税です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

関連記事:【2024年最新版】自動車の税金の種類や金額、支払いタイミングを解説

自動車税(種別割)/軽自動車税(用途割)

自動車税は、毎年4月1日時点で車を持っている方に支払義務が生じます。税額は総排気量によって変動し、660cc超の場合は「自動車税」、660cc以下の場合は「軽自動車税」がかかります。

下記が自動車税における総排気量別の金額表です。

総排気量 初回新規登録が2019年9月30日以前 初回新規登録が2019年10月1日以降
1,000cc以下 29,500円 25,000円
1,000cc超~1,500cc以下 34,500円 30,500円
1,500cc超~2,000cc以下 39,500円 36,000円
2,000cc超~2,500cc以下 45,000円 43,500円
2,500cc超~3,000cc以下 51,000円 50,000円
3,000cc超~3,500cc以下 58,000円 57,000円
3,500cc超~4,000cc以下 66,500円 65,500円
4,000cc超~4,500cc以下 76,500円 75,500円
4,500cc超~6,000cc以下 88,000円 87,000円
6,000cc超 111,000円 110,000円

軽自動車税は用途別の違いがあるのみで、排気量による税額の違いはありません。

初回新規登録が2015年3月31日以前 初回新規登録が2015年4月1日以降
乗用(自家用) 7,200円 10,800円
貨物用(自家用) 4,000円 5,000円

自動車重量税

自動車重量税とは、自動車車種や重量、経過年数に応じて税額が変動する税金です。環境性能割(排出ガス性能や燃費性能)の条件を満たしていればエコカー減税が適用されるため、免税または減税とされます。支払時期は自動車購入時ならびに車検時です。

自動車(ガソリン車・LPG車(ハイブリッド車を含む))でエコカーに該当するのは、以下2つの項目をクリアしていることです。

  • 平成30年排出ガス規制50%低減、又は平成17年排出ガス規制75%低減
  • 令和12年度燃費基準70%以上達成

以下の表は車検時(2年ごと)に支払う自動車重量税です。表にあるように、一定年数を超えると税金が高くなります。

【普通自動車】
エコカー エコカー
(本則税率)
エコカー外
右以外 13年経過 18年経過
0.5t以下 免税 5,000円 8,200円 11,400円 12,600円
~1t 10,000円 16,400円 22,800円 25,200円
~1.5t 15,000円 24,600円 34,200円 37,800円
~2t 20,000円 32,800円 45,600円 50,400円
~2.5t 25,000円 41,000円 57,000円 63,000円
~3t 30,000円 49,200円 68,400円 75,600円
【軽自動車】
エコカー エコカー
(本則税率)
エコカー外
右以外 13年経過 18年経過
免税 5,000円 6,600円 8,200円 8,800円
【小型自動車(小型二輪)】
右以外 13年経過 18年経過
3,800円 4,600円 5,000円

車の維持費② 保険

車にかかる保険料として、自賠責保険と任意保険があります。自賠責保険は強制加入ですが、任意保険は自賠責保険でカバーしきれない部分を補償する保険で、強制加入ではありません。

しかし、自賠責保険では補償しきれない事故を起こした場合に高額請求に対応できないおそれがあります。そのため、任意保険には入っておいたほうが安心でしょう。

自賠責保険

自賠責保険は車種、保険期間ごとに金額が決まっています。車種、保険期間ごとの料金は以下の表の通りです。

36ヵ月 24ヵ月 12ヵ月
自家用乗用自動車 23,690円 17,650円 11,500円
軽自動車 23,520円 17,540円 11,440円
※沖縄県、離島などは保険料が異なります。

任意保険

自賠責保険では補償しきれない部分を補うのが任意保険です。あくまで任意のため、必ず入る必要はありません。
なお、任意保険の保険料は、補償範囲や運転者の年齢などによって変動します。

車の維持費③ メンテナンス

車のメンテナンスにも費用がかかります。車は利便性の高い道具である一方で、不備によって交通事故が発生するリスクもあります。事故を防ぐためにも日々のメンテナンスはもちろん、定期的な車検も必要です。

車検で問題が見つかると、部品代などのメンテナンス費用が別途かかるため、通常の車検費用よりさらに高額になることは心に留めておきましょう。

車検費用

車検費用は、車検を依頼する業者や車の状態によって大きく変動します。車検は自動車の購入から3年後、その後は2年ごとに受けなければなりません。

国に収める検査手数料を支払うための印紙と証紙の代金である印紙代は、車種・重量ごとに異なるため、その点も知っておくといいでしょう。

車検時の部品交換とは別に、タイヤやオイルなどの消耗品を交換することもあるため、まとまったお金が必要になる場合もあります。

関連記事:車検費用はいくらかかる? 軽自動車やバイクの平均費用や法定費用を紹介!

車の維持費④ 利用

車を継続して利用するにはガソリン代や駐車場代など、日々の利用にかかる費用も必要となります。ガソリン代や駐車場代は地域差があり、ある程度金額が決まっているため、削減が難しい項目といってよいでしょう。

しかしながら、燃費の良い車や軽自動車に買い換えることで費用を抑えられるケースもあります。ガソリン代の今後の予想も含めて、以下で内容を確認してみましょう。

ガソリン代(走行費用)

ガソリン代や高速料金などの走行費用は、維持費の中でも大きな金額になりやすい費用です。2024年8月時点の全国平均は175円程度です。2023年10月頃から175円程度で推移していることもあり、今後も同じような価格で推移していくのではと予想されます。

とはいえ、今後のガソリン価格は確定しているわけではなく、175円以上になる可能性もあります。走行距離や地域だけでなく、燃費の良し悪しといった自動車の性能にも費用が左右されるため、維持費を考えてエコカーにするのもひとつでしょう。

経済産業省資源エネルギー庁「統計・各種データ|石油製品価格調査

駐車場代

駐車場代は地域によって大きく異なり、東京都や大阪府などの都市圏のほうが高額になりやすいです。

千葉県の場合、月額9,000~12,000円程度が相場です。また、駐車場代は駐車場の設備などでも変動します。

自宅に駐車場がある場合、駐車場代がかからず丸々費用を削減できるため、その分維持費を抑えることができます。

車の維持費を安く抑える7つの方法

車の維持費について想像以上にかかるなと感じた方もいらっしゃるかと思います。しかし、以下のことを心掛けることで費用を安く抑えることが可能です。

  • 燃費が良い軽自動車・エコカー・電気自動車(EV)を購入する
  • 車検はディーラー以外も検討する
  • 免税・軽減対象になっている車を選ぶ
  • 自動車保険を見直す
  • 新車新規登録から13年経過するまでに買い換える
  • カーリースを利用する
  • 軽自動車は購入タイミングを4月2日以降にする

税金や保険料など、ある程度決まっている費用を抑えるのは難しいです。とはいえ、任意保険の見直しや定期的なメンテナンスで維持費を抑えられる可能性はあります。

維持費を安く抑えるコツについて理解し、しっかりと実践するようにしましょう。

燃費が良い軽自動車・エコカー・電気自動車(EV)を購入する

自動車にかかる税金の金額は総排気量や自動車重量によって定められているため、エコカーや軽自動車、電気自動車(EV)などの燃費の良い車を選ぶことで、自動車税や自動車重量税といった税金を抑えることが可能です。

また、燃費が良い車だとガソリン代の抑制にもつながります。例えば燃費10km/Lの車で500km走行すると必要なガソリン量は50Lですが、燃費15km/Lの車では必要なガソリン量は約33Lとなります。ガソリン価格が175円/Lの場合、前者はガソリン代が8,750円かかるのに対して、後者は約5,775円で済むため、およそ3,000円の節約が可能です。

そのほかの費用である自動車保険料や車検費用をみても、エコカーや軽自動車、電気自動車(EV)のほうが金額が安い傾向があります。

車検はディーラー以外も検討する

車検を受ける際は、ディーラー以外の業者も検討しましょう。車検費用は車の使用年数や走行距離に左右されるだけでなく、依頼する業者によっても異なります。

最低限の点検で安く済む車検専門店や、ディーラーよりも安く済むうえに技術力が期待できる整備工場など、車検の依頼先は複数あります。車検完了までの期間や車検費用を加味して、自分に合う依頼先を選定しましょう。

また、定期的にメンテナンスをすることで大きな故障を避けられ、結果的に維持費を抑えることが可能です。

最初は小さな整備不良であっても、適切な処置をしないままに時間が経つと大きな故障へとつながりかねません。結果として修理や部品の交換に多くの費用が発生してしまう可能性もありますので、12カ月点検や24カ月点検といった法定点検をしっかりと実施するようにしましょう。

関連記事:車検費用はいくらかかる? 軽自動車やバイクの平均費用や法定費用を紹介!

免税・軽減対象になっている車を選ぶ

グリーン化特例やエコカー減税を利用できる車を選ぶことも、維持費を安く抑える方法です。グリーン化特例や環境性能割では自動車税・軽自動車税が、エコカー減税では自動車重量税がそれぞれ減免されます。

グリーン化特例は条件によって概ね75%の軽減です。例えば、総排気量2,000ccの自動車税は39,500円です。しかし、グリーン化特例で75%軽減されれば約30,000円減額され、10,000円程度で済みます。

環境性能割は、2030年度基準達成度によって税率が変わり、非課税~3%の中で決められます。

また、エコカー減税の減税率は25%~100%となります。

このように、免税・軽減の対象車を選べば税金を削減できます。

国土交通省「令和5年度税制改正の大綱(抜粋)

国土交通省「令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート)

自動車保険を見直す

任意の自動車保険は自賠責保険で補償できない部分をカバーしてくれますが、必要以上の補償内容となっている場合があります。

運転者を契約者本人のみに限定する、家族がもともと入っていた自動車保険の等級を引き継ぐなどで保険料を節約することができます。

定期的にプランの見直しを行い、ご自分に合った補償内容の任意保険を利用しましょう。

新車新規登録から13年経過するまでに買い換える

新車登録から13年経過するまでに車を買い換えるのも選択肢のひとつです。自動車の性能は年々進化しており、古い車は最新の車と比較して燃費性能が低い傾向にあるためです。また、経年劣化でも燃費は悪くなるため、燃料代が高くなることも考えられます。

さらに、自動車税と自動車重量税には重課があり、13年経過で両者ともに、18年経過で自動車重量税の税額が高くなります。そのため、自動車の維持費を抑えるなら、車の購入から13年を目安に買い換えを検討するとよいでしょう。

カーリースを利用する

カーリース会社が所有する車を借りて、毎月利用料を支払うカーリースを利用すると、自動車の維持費を抑えられます。毎月利用料を支払うだけなので、マイカーローンを支払っている感覚で車を利用することが可能です。

利用料には税金や車検基本料などが含まれるため、毎月の費用を定額で抑えられ、一度に大きな出費が発生することがなくなります。

したがって、カーリースは車のメンテナンスを任せたい方や、突然の出費をなくしたい方におすすめです。

関連記事:車購入時の支払い方法をFPが徹底解説(マイカーローンvsカーリースvs現金一括払いvsクレジットカード払いvs残価設定ローン)

軽自動車は購入タイミングを4月2日以降にする

軽自動車を購入する方は、購入のタイミングを4月2日以降にすると軽自動車税を抑えられます。軽自動車税はその年の4月1日時点で車を所有している人に対して年単位で課され、月割りの概念がないためです。

そのため、年度の途中で購入しても、購入した年度の軽自動車税は支払う必要がなく、1年分の軽自動車税である10,800円を節約できます。

総務省「地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わります

維持費の支払いに困った際はローンを使用することもおすすめ

維持費の支払いにお困りの際は、ローンを活用することを検討してみましょう。自動車は利便性の高い道具である一方、維持費が大きな負担になるケースがあるのも事実です。

シミュレーションで確認したように、普通自動車の場合、車両本体価格とは別に年間で約 250,000円かかる可能性があります。車種や使用年数、使い方によっては負担がより大きくなるおそれもあります。

ローンは手元の資金を減らさずに車を利用できるサービスです。維持費の支払いに困っている方は、ローンの使用を検討するとよいでしょう。

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2024年10月1日現在