NISA(ニーサ)の始め方!積立開始までのステップごとのやり方を紹介

NISAとは、個人の資産形成をサポートするための国の制度で、税制優遇を受けながら株や投資信託などに投資できます。正式名称は、「少額投資非課税制度」です。

通常の投資では、得られた利益に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座を利用した投資で得られた利益は非課税です。2014年に制度が開始され、2024年に非課税期間の無期限化や年間投資枠の拡大などの大きな改正がなされ、さらに使いやすい制度となりました。

2023年までのつみたてNISAを「つみたて投資枠」、一般NISAを「成長投資枠」として引き継いでおり、2つの枠の併用も可能になりました。

この記事ではより使いやすい制度となったNISAの始め方について解説していきます。

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NISA(ニーサ)のつみたて投資枠と成長投資枠

NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があり、両者の違いは投資方法や対象商品です。

つみたて投資枠は、一定の間隔で同じ金額を投資する積立方式に限定されており、少額からコツコツ積み立てられることが特徴です。

金融機関によっては1,000円から積み立てられる場合もあり、まとまった資金がなくても投資を始められます。対象商品には、金融庁が定める基準を満たした投資信託やETF(上場投資信託)の343本(2025年9月1日時点)が設定されています。

これに対して、成長投資枠は投資信託や国内外の上場株式やETFなどに幅広く投資でき、自由度が高いことが特徴です。購入方法は積立てだけでなく、一括購入にも対応しています。

一定の間隔で一定の金額を投資する積立投資は、価格変動のリスクを軽減できる特徴があります。さらに、NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は金融庁が厳選したもののみです。

そのため、NISAを初めて利用する場合、つみたて投資枠の利用から検討するのがおすすめです。

関連記事:ちば興銀「新NISAのつみたて投資枠とは?メリット・デメリットなどを紹介」

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金融庁「NISA|ライブラリー|つみたて投資枠対象商品

NISA(ニーサ)のつみたて投資枠の始め方

対象商品や購入方法が限定されているつみたて投資枠は、初心者の方でも始めやすいことが特徴です。

具体的には、以下の4ステップで始めます。

  • ステップ1:金融機関を選ぶ
  • ステップ2:口座を開設する
  • ステップ3:投資する金融商品を選ぶ
  • ステップ4:積立金額を決める

それぞれのステップについて詳しく解説します。

ステップ1:金融機関を選ぶ

まずは、どの金融機関でNISA口座を開設するか選びます。

銀行や証券会社、信託銀行、郵便局など、さまざまな金融機関の中から選択可能です。金融機関によって扱っている商品のラインアップや運用に必要な手数料が異なるため、よく比較検討することが大切です。

口座の開設方法もさまざまです。Webやアプリで口座開設が完結する金融機関もあれば、店頭での手続きが必要な場合もあります。事前にウェブサイトなどで確認するとよいでしょう。

なお、NISA口座のみの開設はできないため、開設を希望する金融機関の総合口座や証券口座の申込みも同時に行う必要があります。

ステップ2:口座を開設する

金融機関が決まったら、必要な書類を揃え口座開設を申請します。

開設済みのNISA口座をほかの金融機関へ変更することも可能です。ほかの金融機関に変更することで、手数料が抑えられたり、商品ラインアップが拡充されたりといった効果が得られる可能性があります。

初めて口座を開設する場合と、すでに口座を持っている場合、それぞれについて詳しく解説します。

初めて口座を開設する場合

初めてNISA口座を開設する場合は、必要書類を用意して口座開設の申込み手続きをします。金融機関によってはWebで開設手続きができる場合もあります。

主な必要書類は、以下の通りです。

必要書類 金融機関所定の申請書類
マイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカードや通知カード)
本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、パスポートなど)

必要書類を提出後、金融機関および税務署の審査が行われます。審査に要する期間は金融機関によって異なりますが、一般的には2~3週間程度です。

審査が完了すると「口座開設のお知らせ」が届き、投資が開始できる状態になります。

なお、金融機関によっては審査完了前に商品の購入や積立ての申込みができる場合もあります。

すでに口座を持っている場合

すでにほかの金融機関でNISA口座を開設している場合、開設済みの口座を廃止する手続きが必要です。NISA口座には1人1口座というルールがあり、複数の口座を同時に開設することはできないためです。

主な必要書類は、以下の通りです。

必要書類 口座開設済みの金融機関から取得した「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」の写し
金融機関所定の申請書類
マイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカードや通知カード)
本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、パスポートなど)

上記の必要書類を提出後、金融機関および税務署の審査が行われます。

「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」の取得方法は金融機関によって異なるため、Webサイトなどで確認しましょう。

関連記事:ちば興銀「NISAの口座変更・金融機関変更のタイミング、メリット・デメリットとは」

ステップ3:投資する金融商品を選ぶ

口座が開設できたら、投資する金融商品を選びます。

つみたて投資枠の商品は、旧制度の「つみたてNISA」と同じように、金融庁が定める要件を満たした商品が厳選されています。

月ごとなど一定の間隔で一定額を積み立てていくスタイルのため、買うタイミングを自分で決める必要がなく、投資経験がない方でも利用しやすいことが特徴です。

「頻繁に売り買いするのではなく、同じ銘柄を長期間保有することで利益を得る」という考えを基本にしたうえで、「できるだけ堅実にリターンを得たい」「リスクを抑えながら国内外に幅広く投資したい」など、自分の投資意向に合った商品を選ぶとよいでしょう。

ステップ4:積立金額を決める

つみたて投資枠の年間投資上限額は120万円のため、月に最大10万円まで積み立てられます。

最低積立金額は金融機関によって異なりますが、少額での積立に対応している金融機関もあるため、無理のない範囲で積立金額を決めましょう。

積立金額はあとから変更できます。特に、初めて投資をする場合は少額からスタートして徐々に金額を増やしていく方法がおすすめです。

積立金額を決める方法として、「いつまでにどのくらいの金額を貯めたいのか」という目標を定めてから逆算する方法もあります。

目標額と積立期間、想定されるリターンから、毎月の積立金額を計算しましょう。金融庁が提供するシミュレーションを利用すると、簡単に計算できます。

金融庁「つみたてシュミレーター

NISA(ニーサ)を始める際に注意したい4つのポイント

NISAには多くのメリットがあり、上手に活用すれば資産形成の強い味方になるでしょう。一方で、理解しておくべき注意点も存在します。

主な注意点は、以下の4つです。

  • 金融機関選びは慎重に
  • 口座は1人1口座、1つの金融機関のみ
  • 投資対象が限られている
  • 年間で非課税となる額が決まっている

それぞれについて詳しく解説します。

金融機関選びは慎重に

金融機関を選ぶ際は、以下の5つのポイントを押さえることが大切です。

  • 取扱商品が豊富か
  • 取引手数料が安いか
  • 積立頻度がどの程度か
  • 最低積立金額はいくらか
  • セミナーなどでNISAについて学ぶことができるか

取扱商品の種類は金融機関によって異なるため、希望する商品が購入できるかどうか確認が必要です。

成長投資枠で上場株式を購入する際の取引手数料や積立頻度、最低積立金額も金融機関によって差があるため、自分が希望するスタイルで投資できる金融機関を選ぶ必要があるでしょう。

セミナーなど、投資全般やNISAについて学ぶ機会があるかどうかも大切なポイントです。

ちば興銀では、つみたて投資枠、成長投資枠ともに幅広い商品からお選びいただけます。一括投資は1万円から、積立投資は月5,000円から投資可能です。

「休日お客さま相談会」を実施し、NISAに関する質問にもお答えしています。

相談予約はこちらから、お気軽にお問い合わせください。

口座は1人1口座、1つの金融機関のみ

NISA口座の開設は、同一年に1人1口座と決まっており、複数口座を開設することはできません。

制度の改正により、2024年からはつみたて投資枠と成長投資枠の2つを併用できるようになりました。しかし、つみたて投資枠と成長投資枠は同一のNISA口座で管理され、これらを別々の金融機関で利用することはできないため、注意が必要です。

NISA口座の開設を申し込むと、金融機関と税務署による審査が実施されます。2つ以上の金融機関での口座開設が判明すると、あとに申請したNISA口座の開設は不承認となりますので、注意してください。

投資対象が限られている

つみたて投資枠で購入できる商品は、金融庁が認めた商品に限定されます。

特に、つみたて投資枠は「長期・積立て・分散投資」に適した商品が厳選されているため、投資初心者の方でもチャレンジしやすいことが特徴です。

一方で、つみたて投資枠で購入できるのは積立投資に特化した商品のみで、成長投資枠と比較すると、購入できる商品に限りがあります。上場株式や幅広い種類の投資信託・ETF(上場投資信託)に投資することはできません。

つみたて投資枠で購入ができない商品でも、成長投資枠で購入できる可能性があります。

購入したい商品が決まっていて、成長投資枠でしか購入できない場合は、成長投資枠の利用も検討しましょう。

年間で非課税となる額が決まっている

NISAには年間で非課税となる投資上限額があり、つみたて投資枠は120万円、成長投資枠は240万円です。これを「年間投資枠」と呼びます。

1年間に投資できる上限額は2つの投資額を合計すると360万円ですが、いずれかの投資枠のみで上限の360万円を投資することはできないため、注意が必要です。

つみたて投資枠、成長投資枠ともに年間投資枠まで使い切らなかった場合、翌年以降に繰り越すことはできません。

NISAで投資した商品は一生涯非課税で保有できますが、1人が一生のうちで利用できる金額の上限は、1,800万円(成長投資枠はそのうち1,200万円)です。これを「非課税保有限度額」といいます。年間投資枠との違いを理解しておきましょう。

関連記事:ちば興銀「新NISA(ニーサ)の限度額とは?年間と非課税の両面から上限を解説」

NISA(ニーサ)の始め方はあなたに合った方法で!

NISAは、個人の資産づくりを支援するための非課税投資制度です。

2023年までの旧制度では非課税保有期間に制限がありましたが、現行の新制度では非課税保有期間が無期限となり、制度が恒久化されました。これにより、より長期的な資産形成に活用できる土台が整いました。

初めて投資に挑戦する方は、金融庁の基準を満たした商品が揃うつみたて投資枠からスタートする方法がおすすめです。ライフプランやニーズに合った最適な金融機関で口座を開設しましょう。

NISA(ニーサ)を検討しているならちば興銀!

ちば興銀は、NISA口座で購入できるさまざまなタイプの商品を取り揃えており、お客さまのご要望に沿ったご提案が可能です。NISA口座の開設はWebから申込みができ、開設後はアプリで手軽に取り引きできます。

資産運用は、お客さまのライフプランに合った方法と金額で利用することが大切です。ちば興銀なら、お近くの窓口でいつでもNISAに関するご相談ができます。

土・日・祝日には「休日お客さま相談会」も開催していますので、ぜひお気軽にご利用ください。

将来に向けた資産形成を、ちば興銀でスタートさせましょう。

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株式会社 千葉興業銀行 登録金融機関:関東財務局長(登金)第40号 加入協会名:日本証券業協会
水野崇

水野 崇(みずの たかし)

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部応用数学科卒業。
相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など多方面で活動している。
学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。
テレビ朝日「グッド!モーニング」、BSテレ東「マネーのまなび」などに出演。
NHK土曜ドラマ「3000万」の家計監修を担当。

<資格>1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、証券外務員1種 など

【URL】https://mizunotakashi.com

2025年11月7日現在